早月尾根



早月尾根より釜谷山、猫又山をのぞむ(2009年5月26日撮影)

所在地富山県上市町
馬場島 アプローチ上市町から車で40分
登山口標高760m
早月小屋2220m
標高差単純1460m
沿面距離片道 Km
登山日2009年5月26日
天 候晴れ
同行者単独
参考コースタイム
 山と高原地図(旺文社)
馬場島(4時間30分)早月小屋  早月小屋(3時間)馬場島
合計7時間30分
コースタイム 6時45分馬場島(3時間40分)早月小屋<休憩1時間20分>
早月小屋(2時間)馬場島13時45分
合計7時間<休憩1時間20分含む>



早月小屋までしか行かなかった(行けなかった)
 
 天気予報は「晴れ」。だが、信用はしていない。馬場島に向かう車の中から見える空は全天、雲に覆われている。  2003年5月、雪渓のトラバースが怖くて2600mピークで敗退した記憶が頭をよぎる。


伊折に立っているちょっと可笑しい熊の看板
 

馬場島荘の前に車は1台も停まっていなかった
 
 6時30分、馬場島荘の前の駐車場に車を停める。ノーゲスト。車は1台もいない。槍ヶ岳の時も誰もいなかった。この季節の平日はこんなものか?
 里山の独り占めは贅沢なものだが、剱岳早月尾根の独り占めはちょっとイメージが違う。心を引き締める。


馬場島登山口(標高760m)
 

松尾平からの吊り尾根最初の立山杉
 
 6時45分、馬場島登山口を出発する。まずは松尾平までの急登100m。いつものヒメシャガが「今年もようこそ」と向かえてくれる。
 松尾平は一段ではなく、3段になっていて3段目が一番広い。吊り尾根のような細い尾根から急登が始まる。


早朝の松尾平登山道
 
 その急登の始まりに大きな立山杉がある。早月尾根(剱岳)の入口を守る門番のようだ。樹齢はどれくらあるのだろう?精霊が宿っているかのような風格がある。


早月尾根最大の立山杉 中央下に置いてあるストックから、その大きさを想像して欲しい
 

今年は雪が多いような気がする
 

登ってきた雪渓を振り返る
 
 1700mあたりから雪渓が現れてくる。1800mあたりの広尾根は雪渓が切れた後の登山道を見つけるのに苦労する。前回も藪こぎを強いられた所だ。
 細尾根に入ると登山道は尾根の左側にあって、雪渓も左側ある。延々と左斜面のトラバースが続く。


釜谷山、猫又山、ブナクラ峠、赤谷山、白萩山
 

赤谷山、白萩山、アカハゲ、シロハゲ、手前は小窓尾根
 

小窓尾根の中央はマッチ箱ピーク
 
 「主三角点」は、国土地理院でなく林野庁が設置したもので国有林野の官民境界の確認と施業のために作られたもの。他に「次三角点」と「補点」がある。(次三角点は大猫山と猫又山の稜線上にあった)


主三角点
 

延々と続く雪渓のトラバース
 
 途切れないトラバースに嫌気がさしてくる。トラバースの最中に千分の1の(0.1%の)確率のアンラッキーが潜んでいて、それが起こったら。結果は0.1%じゃなく100%だ。ここで滑落したらどうなるかは容易に想像出来る。


ちょこっと顔を出した夏道とロープ
 
 ゴールデンウイークより危ないと言われている5月下旬。単独の限界を感じて、早月小屋までとする。
 10時25分、早月小屋に到着する。この時期、小屋は閉まっている。秋の閉められた後の小屋は怖いが、春のこれから開けられるだろう小屋は怖くない。


営業休止中の早月小屋
 

玄関は堅く閉められている
 
 小屋の前の日だまりでくつろぐ。ラーメンを作り、コーヒーを湧かす。もちろんその前の乾杯は忘れない。
 突然、睡魔が襲ってきた。だが、立山町日中の蕎麦屋「翁」のそばが食べたい。お昼は15時までやっているはずだ。ちなみに夜は要予約。
 11時45分、早月小屋を出発して、13時45分、馬場島に戻る。「翁」に間に合った。


ヒメシャガ
 

ユキザサ
 

タムシバ
 

ショウジョウバカマ
 

キンポウゲ
 

ムシカリ(オオカメノキ)
 

マイズルソウ
 

シラネアオイ
 

タチツボスミレ
 

サンカヨウ
 

チゴユリ
 

エンレイソウ
 
 「翁」は民家を改装したお店で、スーパー農道から東側に50m程入った白岩川が見下ろせる河岸段丘の上に建っている。
 岩峅寺の宮路にある「むか井」も同じように民家を改装したお店だ。最近の流行なのだろうか?


急いで降りてきて日中の蕎麦屋「翁」に入る
 

民家の玄関を改造した入口
 

民家の8畳間と6畳間と縁側を改装した店内
 

とろろ蕎麦(900円)