龍王岳 |
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所在地 | 富山県立山町 | |
室堂登山口 | アプローチ | アルペンルート室堂 |
登山口標高 | 2450m | |
標 高 | 2872m | |
標高差 | 単純422m | |
沿面距離 | 登り2.6Km 降り2.1Km | |
登山日 | 2009年11月26日 | |
天 候 | 晴れ | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム |
室堂(1時間5分)富大観測所<休憩15分>(10分)龍王岳<休憩10分>(10分)富大観測所<休憩35分>(1時間10分)室堂 合計3時間35分<休憩1時間含む> |
この季節に山を選ぶとなると、しっかり雪のある山か、全く雪のない山になる。そして雪のある山を選ぶ事が多い。 簡単に雪のある山に行こうとしたら立山か穂高になる。金がかからないのは立山だ。 |
9時のケーブルに乗り、9時10分の始発バスに乗る。室堂着が10時で、身支度を終えれば10時10分頃の出発となる。 スパッツだけつけてつぼ足で一ノ越を目指す。ターミナル前にテント村が出現していた。 雷鳥平以外はテント禁止なのだが、大目に見てあげよう。この時期に吹雪かれると雷鳥平は危険だ。 |
室堂山荘前からトレースを離れて右側(浄土山側)へとコースを変える。モナカ雪に何度も足を取られるのでスノーシューを履く。 浄土沢沿いを行く人達はスキーヤーかボーダーで単なる登山者はいないようだ。 |
一ノ越南側のコルに出る。風が強く寒い。家から出た時の服装のまま、シャツ2枚だけで歩いていた。フリースのセーターを着る。 雄山を予定していたのだが気が変わった。雄山はちょっと飽きぎみでもある。龍王岳に変更。 |
クラストしている雪面にMSRライトニングの爪がよく効く。雪面は足跡も残らないくらいカリカリだ。 富山大学立山研究室がある稜線まで登ると龍王岳はすぐ目の前だ。夏道は? 記憶が定かでない。 途中までは雪が付いているが、その後は雪と岩のミックスだ。スノーシューとストックをアイゼンとピッケルに替える。 |
直登は避けて右側から回り込んだ。見た目より簡単にあっけなく頂上に出る。見た目より実際のほうが簡単なのはいつものことだ。 頂上からの360度の展望を楽しむ。だが風が強く、寒い。ウインドーブレーカーを出すのが面倒で、早々に降りる。 |
降りてから富山大学立山研究室の影で風を避けながら乾杯。来た道をそのまま帰るのは面白くない。浄土山も行ってみたい。 浄土山から室堂山への降りが急なのがちょっと気になる。だが危ないようなら戻ればいい。 |
小さなアップダウンを繰り返しながら浄土山へと向かう。昔あったという浄土山の雄山神社跡の石垣がきれいに残っている。 そこから左に折れて室堂山へと向かった。降り口に大きな木柱がある。夏道をたどっているらしい。道は分からないが気休めにはなる。 |
岩が露出しているところはよかったが途中から雪だけの急斜面になった。おまけにアイスバーンが何ヶ所も出てくる。 下には大きな岩が一面に露出していて滑ったら激突は避けられそうもない。行くか戻るか? |
戻ったら安全だが、何かをなくすような気がした。それが何かは分からないが、なくしてはいけないものだと思った。 「引き返す勇気」という言葉も頭をかすめるが、それとも違う。ここで引き返したらこの先、山にチャレンジ出来なくなるような不安... |
降りると決めた。ピッケルはリュックに縛り付けてある。リュックを下ろす場所もない。ストックだけで降りる。 カカトを蹴り込んでも刺さるのは爪2本だけ。前後のバランスも悪い。横向きにサイドの爪で降りる。この方がストックでバランスを取りやすい。 |
岩の露出しているところまで降りてホッとする。同時に山に対する大事な何かを失わずにすんだような気がした。 折れた骨は時間が経てばくっつくが、いったん折れた心は簡単には元に戻らない...みたいな... 事故の多くはこんなところではおこらない。もっと普通の何でもないところでおこる。ちょっとした気の緩み、不注意、そしてアンラッキー。 などと、思っては見たものの、怖かった。単独行の弱点をあらためて思い知らされた。 |
下の方の岩が雪に埋まるまで、室堂山〜浄土山のコースは登りに使っても、降りには使わない方がいいだろう。 そういえばこの斜面にトレースもシュプールもなかった。皆、よく知っている。まだまだ「立山の事なら任せとけ」なんて言えないようだ。 |