ソンボ谷 |
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所在地 | 岐阜県飛騨市 | |
中山集落 | アプローチ | 国道41号線を南下して猪谷を過ぎた中山集落から |
登山口標高 | 255m | |
標 高 | 755m | |
標高差 | 単純500m | |
沿面距離 | 片道5.3Km | |
登山日 | 2009年4月4日 | |
天 候 | 曇り後雨 | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム |
中山集落(2時間)水無谷川出合<休憩1時間25分>(1時間35分)中山集落 合計5時間<休憩1時間25分含む> |
中学生時代までを過ごした大津山(山名ではなく集落の名前)は飛騨市神岡町の茂住という集落から高原川右岸を600mほど登った所にあった。 山の斜面を段々畑のように切り開いて建っていたのは全て三井金属の社宅で、その数300軒、1000人が住んでいた雲の上のマチュピチュのような世界だった。 4軒あった銭湯、月に数回上映されていた映画館なども全て無料の、下界と隔絶された隠れ里のような集落だった。 父はその山々を「にっさんちゅう」と呼んでいた。子供の頃の事で、「不思議な響きを持った地名だな〜」と漠然と感じていたのを覚えている。 そんな話をした名古屋の友人、岩月から。それは漢字で書くと「西山中」ではないかとの指摘をうけた。なんとなく納得。長い間のモヤモヤがスッキリした。 |
高原川と宮川に挟まれた「にっさんちゅう」。それを南北に分けて流れているのがソンボ谷だ。 そのソンボ谷の西にソンボ山、東に漆山岳がある。ソンボ谷源流の南に続くのは大洞山、流葉山、高山。 富山県では漆山岳の知名度は低いが、富山平野から眺められる唯一の岐阜県の山である。猿倉山と笹津山の間に見える端正な三角形の形をした山が漆山岳だ。 |
午後から雨の予報なのでソンボ谷の様子を見るだけ、と思って出かけた。漆山岳を裏側から登ってみたいと思っているので、その偵察も兼ねている。 前回のソンボ山と同じく、中山集落から先は通行止めになっていた。柵を外せば通れないこともないが、歩くのは苦にならない。トレーニングだと思えばなんでもない。 8時55分、神社横から林道に入る。 |
釣りが目的と思われる軽四のボックスカーが林道に停められていた。その上流で単独の釣り人を見つける。頭の上で大きく輪を作って釣果を聞いてみた。 胸の前で両手で作った×印が返ってくる。釣れていないらしい。川の音で声は聞こえない。釣りか?のジェスチャーに山の上を指さして登山だと答えた。 |
思ってもいなかったところから雪が出始める。3日前の新雪が深い。スパッツを出すと片方しかなかった。右足だけはく。他に誰もいないからいいが、凄く変。 スネまでゴボルようになりスノーシューをはく。2年前(2007年)の4月8日にソンボ山に登ったときにはまったく雪がなかったところだ。 ソンボ谷には下から第何号橋という名前で橋が架かっている。第五号橋を渡った後に水無谷橋がある。支流に架かる唯一の橋だ。 |
この橋の手前で林道は左に分岐している。その林道もさらに分岐して山に向かうものと水無谷川をたどるものに分岐している。 地図を見ると、水無谷川をたどる林道はなだらかに稜線まで続いている。稜線近くで右にコースを変え、西に向かうと漆山岳頂上である。 この豊富な積雪量なら、多分、頂上は楽勝。怖いのは熊だけだ。特に単独では... |
水無谷川出合で一人宴会。モツ煮込みにラーメン。雨も降り出してきてとりあえず今日はここまでだ。 雨具に身をつつみ、ソンボ谷を降る。4日後にまた来よう。その時は漆山岳の頂上で360度のパノラマを楽しむ。 |
降る途中、今まで気付かなかった左岸の林道脇にある洞窟を見つけた。二つ並んだ洞窟は左の方が奥が深そうだが中まで見えない。 その少し下流にあった洞窟は人為的な水路のようで奥がまったく見えない。次回、長靴を持ってきて探検してみよう。 |
中山集落近くで、登るときに気付かなかったキクザキイチゲ、アズマイチゲ、ネコノメソウ、キケマン、ショウジョウバカマなどを見かける。 雨に打たれ続けて、少しうんざりしていた気分が晴れる。花が持っている不思議な力に初めて気付いた。 |