天蓋山



田部井淳子さん直筆の頂上標識がありました(2009年11月6日撮影)

所在地飛騨市神岡町
登山口 アプローチ富山市より車で2時間 山之村
登山口標高965m
標   高1527m
標高差単純562m
沿面距離2.7Km
登山日2009年11月6日
天 候
同行者単独
参考コースタイム
岐阜県の山(山と峡谷社)
登山口(2時間30分)天蓋山頂上(1時間50分)登山口
合計4時間20分
コースタイム登山口(57分)天蓋山頂上<休憩1時間37分>(36分)登山口
合計3時間10分<休憩1時間37分含む>



天蓋山のGPS軌跡
 
 毎年、この季節になると足が向く天蓋山。だが、登りたくて選んでいる訳ではない。他に行く山が見つからないからだ。(天蓋山が好きな人、ごめんなさい)
 雪が降ってしまうと高い山はそれなりの覚悟が要るし、中級な山は雪が中途半端で気が向かない。
 で、なぜだか天蓋山になってしまう。神岡という町が呼んでいるのかもしれない。


R41から分岐するR471への橋
 

神岡町と観音山 左に小さく神岡城
 
 天蓋山の欠点は登山口までのアプローチの長さに比べて、登山に要する時間が短いことだ。まっ、それは天蓋山の責任ではないが...
 R41を南下して神岡からR471に入る。さらに駒止橋から双六峡谷へ入り、山吹峠を越える。森茂牧場を過ぎたところに道の駅「夕顔の駅」がある。


森茂(もりも)牧場と遠くに池ノ山(ikeの山)
 
 そこで左折して山之村キャンプ場に入る。道なりに進んだ最終地点がグランドのような広場となっている。
 そこに車を停める。1台だけ停まっていた飛騨ナンバーの番号が2222だった。なんとなく親しみを覚えて並んで車を停めた。
 車に戻ったときに富山ナンバーの5555に気がついてくれるだろうか?


飛騨ナンバー2222に親しみを覚えて横に停める
 

晩秋の天蓋山登山道
 
 2年前のコースタイムが1時間2分で、昨年が1時間1分。どちらも途中からタイムアタックに入ったもので万全ではなかった。
 なんとなくもう1回やってみたくなった。年々体力が落ちているのに...
 それをカバーするためには頂上まで1時間のペースをうまく作ることと、無駄な写真は撮らないこと。「何が楽しくて山に登っているんだ」と言われそうだが...


新しい頂上の標柱には田部井淳子さんの名前が
 

天蓋山は二等三角点の山
 
 昨年より1週間以上早く来ているはずなのに秋の深まりはそれ以上だ。そう、もう雪が降ったのだった。登山道のあちこちに雪が残っている。
 時計を見て計算しているわけではないが、体感的に1時間を切れるのが解る。それでもラストスパートしなくてもいいように気を緩めずに行く。


360度のパノラマの南側にそびえるのは岐阜と長野を隔てる御嶽山
 
 いきなりといった感じで頂上に出た。タイムは57分。1時間を切れたので天蓋山のタイムアタックはこれで終了。(のつもりだが性格が悪いので、まだあるかもしれない)
 二等三角点を囲んだ椅子(方位盤?)の真ん中に木柱が立っていた。「天蓋山 一五二七米 田部井淳子書」とある。
 神岡の事なら魔女。携帯で確かめると木柱の設営に関係していた。近々、田部井淳子さんが記念登山に来るとの事。んっ?天蓋山はsoftbankの電波が届くようだ。


経営者が代わって営業を再開した山之村牧場
 

11月3日で営業を終了していた
 
 山之村に来ると気になるのが「山之村牧場」。一度はつぶれた牧場だが、経営者が代わって営業を再開しているはずだ。だが、11月3日で営業は終了していた。
 山の中にあり得ないような建物が建っている風景は、なんかいい。人影がないのがさらにいい。直前まで人が住んでいた廃墟のようだ。


大好きな風景 もうすこしアプローチがよければ...
 
 ほんの数日の間に1000人の人が消えた古里「大津山」への想いが、そう思わせるのかもしれない。
 経済的、体力的に古里を去らざるを得なかった人達。行政的に去らざるを得なかった人達。その最後の人達の気持ちと、人のいない山之村牧場の風景が重なる。


秋は終わろうとしていた