(頸城)鉢山



2万5千図では、まわり全部がムカデ印の山(2010年4月4日撮影)

所在地糸魚川市
焼山温泉 アプローチ糸魚川市の早川を上り焼山から
登山口標高380m
標  高1575m
標高差単純1195m
沿面距離片道7.2Km
登山日2010年4月4日
天 候晴れ
同行者長勢
コースタイム 焼山温泉(1時間10分)昼闇谷(1時間45分)鉢山取付<休憩10分>(1時間55分)鉢山<休憩1時間20分>

鉢山(55分)鉢山取付<休憩5分>(40分)昼闇谷(55分)焼山温泉
合計8時間55分<休憩1時間35分含む>



アプローチが長いのはしょうがないか
 

2万5千図では、まわり全部がムカデ印の山 弱点は?
 

阿弥陀山南峰(左側)を正面の雪渓から行く予定だった
低山なのにヒマラヤを思わせるような風格がありませんか?
 長勢とふたたび頸城に向かった。長勢の提案は鉢山。登りたかったのは阿弥陀山南峰正面壁。
 どちらにするかは現地で決めようと言うことになった。だが、持ち込んだ装備では阿弥陀は無理だった。


右から行くか、左から行くか、正面突破か?
 

昼闇山と昼闇谷
 

先日攻略した烏帽子岳
 
 車で入れたのは早川を渡った焼山温泉入口までだった。既に20台近くの車が停まっている。
 7時45分、出発。焼山温泉で、まだ1m近くの雪が残っている。昨年3月21日に阿弥陀山北峰に登ったときは焼山温泉から1.5Km入ったところまで除雪されていた。今年の雪の多さが分かる。


焼山温泉入口に車を停める 積雪は1m
 

昨年は車で入った林道を歩く
 

阿弥陀山南峰と北峰 今日は南峰の正面壁をいく予定だったが
 
 つぼ足で1Kmほど入ったあたりから雪が腐ってきて、軽いモナカ雪状態となり、スノーシューを履く。
 途中、鉢山(のコル)へ行くというパーティーと、行けるところまでというパーティーを追い越した。どちらもスキー登山だった。


昼闇谷の立派な(?)スノーブリッジ
 

なだらかな吉尾平を行く
 
 杉の植林地となったアケビ平を抜けて昼闇谷を渡る。豊富な積雪でほとんどがスノーブリッジ状態。
 もうひとつの谷を渡って吉尾平に出る。ここまでは昨年の阿弥陀山北峰のコースと同じだ。


阿弥陀山南峰、北峰、烏帽子岳
 
 阿弥陀山の裾をまいて鉢山へと向かう。歩きながら攻略法を考える。岩壁が見える右(西)のコルからは無理そう。
 左(東)のコルからは角度的に見えないが似たようなものだろう。みた感じ、正面突破が一番簡単だと思った。


正面壁の最後は急だがなんとかなると判断
 
 正面雪渓の下でスノーシューをアイゼンに履き替え、ストックをピッケルに持ち替える。スノーシューはデポ。
 よく見ると最後の急登にジグを切ったトレースがある。誰か登った事のあるコースだと思った。だが、近づいてみたら兎の足跡だった。
 堅いところもあればやわらかいところもある微妙な雪面に表層雪崩を起こしそうな重い湿雪が5〜10cm程積もっている。歩きにくい。


頂上近くで安全を期してザイルを出す バックは阿弥陀山と烏帽子岳
 
 頂上まで確保無しで行けると思ったがせっかく登攀用具を持ち込んだので、雪上訓練も兼ねて最後はザイルを出した。
 中間支点が取れないので、30mザイルいっぱい延ばして滑落したら、最悪60m滑り落ちることになる。単なる訓練でしかなかったようだ。


12時45分 鉢山頂上に立つ 
 

簡単に昼食をとる
 
 鉢山の頂上は細長い雪面が東西に延びている。下から見て想像したとおりだ。両端は見えない
 とりあえず腹ごしらえ。軽量化を考えて水は少ししか持ち込まなかった。代わりに水より軽いストーブを持ち込む。
 それで水はいくらでも作れる。食料はおにぎりより軽いカップ麺。


鉢山の裏は鋸山、鬼ヶ面山、頸城駒ケ岳 遠くに後立山連峰
 

鉢山の表は阿弥陀山、烏帽子岳、鉾ヶ岳
 
 細長い頂上の西側を見に行く。雪面は次第に細くなり、最後は雪さえ付かない切り立った稜線が続いていた。...登りにこちらを使わなくてよかった...
 東側に廻ってみる。左側に雪庇が張り出しているが雪は付いている。こちらを下山ルートとした。


鉢山の西側は雪も付かない細尾根 無理
 

鉢山の東側に向かう(長勢撮影)
 

左の雪庇に注意しながら踵キック(長勢撮影)
 

降ってきたトレースを振り返る長勢
 
 滑落したら下は崖。緊張する。ビビルと腰が引けてさらに危険になる。踵キックで踏み込む。
 雪庇が切れたところまで降り、左側に降りる。クレパスが口を開けていたが斜面が急だったので簡単に飛び越えられた。


振り返れば結構シビアなコースを降っている
 

このクレパスはジャンプで越えた
 

鉢山の右に阿弥陀山と烏帽子岳
 
 もう危険なところはない。あるとすれば鉢山正面雪渓のトラバース中に雪崩が発生することぐらいだ。
 トラバースを終え、アイゼンをデポしておいたスノーシューに履き替える。あとはひたすら歩くだけ。


もう危険なところはない 走って降りる
 

正面雪渓のトラバース
 
 頸城のこのあたりの山は面白い。残すは阿弥陀山南峰のみ。出来れば正面の雪渓から行きたいが難易度が高そうだ。
 雪と岩のミックス壁。登れたら最高だろう。


吉尾平を降る
 

昼闇谷の橋の上には2mもの積雪があった
 
 烏帽子岳と阿弥陀山(南峰、北峰)を東側からと南側から撮った。弱点はあるのか?


烏帽子岳を正面(東側)から見る
 

烏帽子岳を左側(南側)から見る どちらかも無理そうだ
 

阿弥陀山南峰、北峰を正面(東側)から見る
 

阿弥陀山南峰を左側(南側)から見る この雪渓は使えそうだ