夫婦山



登山口近くから夫婦山男峰と女峰をのぞむ(2010年1月8日)

所在地富山市八尾町
小井波登山口 アプローチ八尾町から久婦須川に沿って南下し、桐谷に入り、村の入口近くで右折。久婦須川を渡り、松瀬峠を超え、下ったところが小井波登山口
登山口標高460m
標   高784.1m
標高差単純324m
沿面距離片道1.5Km
登山日2010年1月8日
天 候曇り
同行者単独
参考コースタイム
富山県の山(山と渓谷社)
小井波登山口(50分)松瀬峠(30分)男峰(20分)松瀬峠(30分)小井波登山口
合計2時間10分
コースタイム 小井波登山口(1時間15分)松瀬峠(1時間)男峰<休憩45分>(18分)松瀬峠(37分)小井波登山口
合計3時間55分<休憩45分含む>



登りと降りで少しだけコースを変えた
 
 もう飽きたと言いながら、正月早々、向かったのは夫婦山。前日に来県した友人と飲み明かして、家に帰ったのは朝に近かった。
 9時過ぎに目を覚ますと、予定していた雑事(息子の引越)がキャンセルになっている。いきなり青空が広がる休日の中に放り出された感じ。


初めは林道を行く
 

雪が多いと景色が変わって見える
 
 だが、時間的、体調的に遠くの山、ハードな山には向かえない。で、飽きてしまったと言いながらも夫婦山に向かう。
 朝飯はコンビニで買ったパンと缶コーヒーだけ。久婦須川最奥の集落「桐谷」から右折して峠を越え、「小井波」へ。


こんな小さな風景だけではコースに確信がもてない
 
 小井波の豚舎入り口の小さな広場に車を停める。正確には広場じゃなくその後ろの建物に入っている重機の出入り口だ。
 出入りの邪魔にならないように片側に寄せて停める。数台で来たときは縦列で停めた方がいいと思う。


松瀬峠に出る頃には青空も見えた
 
 豚舎を大きく回り込んで林道に取り付く。入口にある看板は雪の下になっていて見えない。
 林道を大きく右に回り込んで、左に折れるのだが確信が もてない。以前、ひとつ谷を間違えて取り付いたことがあった。
 入口の看板など見えるわけもなく、勘で入る。このあたりからガスがかかりだして視界が悪くなってくる。


峠から男峰へと向かう
 
 夫婦山は初めて登ったときに迷いまくった山だ。地図も磁石もなく、ガスにまかれた広い窪地で最後は自分の踏み跡をクロスしてしまう始末で、帰る方向も解らなくなった。苦い経験のある山だ。
 慎重に地形を読みながらコースを探し、窪地の大岩を見つける。大岩を左から巻いた後、胸まで届きそうな深雪をラッセルして松瀬峠へと出た。


こんな雪がスノーシャワーとなって頭上へ
 

大岩下の風穴 雪が溶けている
 
 峠から右に行けば女峰で左に行けば男峰。真っ直ぐ峠を下れば東松瀬の集落だ。
 左にコースをとり、急登に取り付く。雪が深いので蹴り込みが効く。
 両ストックを束ねて、目の前の雪を崩し、雪面にたたきつけてアンカーにする。廻りの灌木も利用して体を引き上げる。


大岩を右からトライする
 

大岩の展望台から女峰を振り返る
 
 男峰への尾根の中間にある大岩の展望台。何となく気が変わって右側から巻くことにした。「左側から巻くべし」と言っていたのだが...
 最初の大岩を腕の力で登り、いったん降って次の岩も腕の力で登る。掴んだ灌木から落ちてくる雪が襟元を襲う。


男峰の頂上は意外に細い 石盤や木柱は雪の下
 
 展望台の岩を乗り切れば頂上は近い。灌木を縫って頂上に立つ。石の方位盤も木柱も雪の下で見えない。
 誰もいない頂上に一人でいると山を独占しているようで気持ちがいい。単独行のご褒美でもある。


富山平野と富山湾
 

上の写真の中央部をアップで撮る 上部の黒い帯が富山を東西に分けている呉羽丘陵
 
 富山平野を東西に分けている呉羽丘陵。地殻のどんな悪戯なのか細長く海近くまで延びている。その東側を呉東、西側を呉西と呼んでいる。
 標高100mにも満たない帯状の山なのに、生活様式や文化まで分けているのが興味深い。例えば、呉西の味は関西風で呉東は関東風等々...


降りで大岩の反対側からいく
 

大岩を振り返る
 
 降りの大岩展望台は素直に夏道の方から降りる。そして松瀬峠からは真っ直ぐに広場へ向かう。
 この広場から低い方へと向かうと登山口とは離れた方に行ってしまう。視界が効かないときは注意が必要だ。


迷いやすい窪地
 

林道にもどる
 
 帰りに自分のトレースを見て、飽きもせずよく登ったものだと感心することがある。
 膝まで潜るようなラッセルを途中で投げ出さず、頂上まで続ける。何がそうさせるのだろう?