雄山東陵



前回敗退した三角点を振り返る(2010年9月4日撮影)

所在地富山県立山町
黒部平 アプローチ立山黒部アルペンルート
登山口標高1828m
標   高3003m
標高差実累計950m 
沿面距離片道2.8Km
登山日2010年9月4日
天 候
同行者山岸、文山、長勢、岩城、堀
コースタイム 黒部平(4時間37分)最終ピーク<休憩15分>(1時間27分)雄山<休憩13分>一ノ越<休憩12分>(31分)室堂
合計7時間35<休憩40分含む>



乗物で(アルペンルート)黒部平まで行って雄山経由で室堂へ戻る
 

黒部平から雄山までが今回の目的
 
 昨年、単独で挑んで敗退したコース。最後の3枚の壁を乗り越えられなかった場合のエスケープルートが分からなかった。
 95%は行けると思ったが5%のリスクを避けた。暗くなってからの下降は危険だし、ビバークの準備はしていなかった。
 リベンジを誓って黒部平へと降った。決断に20分を要した。


黒部平駅前庭園
 

関係者以外立入禁止の点検道入口
 
 今回は藪こぎの好きな仲間に囲まれて敗退はあり得ない。要らないと思ったが、念のために30m×8.6mのザイルと各自最低限の登坂用具を持ち込む。
 立山駅6時50分のケーブルに乗る。6時40分の始発に乗れなかったことが最後まで30分遅れとなってしまった。


雄山東陵の奥に大汝山と富士の折立をのぞむ 雄山は東陵に陰で見えない
 
 明日は金沢で岸君とアヤちゃんの結婚式があり、今日の6人中3人が結婚式に招待されている。他の3人も二次会に参加予定となっている。
 事故もビバークも許されない。


ロープウエイ点検道を行く 後ろは黒部ダム
 

点検道から草付きに入る
 
 9時10分、黒部平を出発。しばらくは立山ロープウエイの点検道を利用させてもらう。
 会社関係者以外は通行できないのだが、今回はお願いして通してもらった。(ありがとうございます)


藪漕ぎに突入
 

左手に大観峰駅と雄山南陵
 
 点検道が尾根からはずれるところから藪漕ぎに入る。平坦なところはいいが斜度が強いところは手強い。
 一年前、この藪漕ぎで500mlしか持ち込まなかった水を落としてしまい、酷い目にあった。


富士の折立丸山尾根 手前は雄山東壁第4尾根
 
 一週間前にたどった富士ノ折立丸山尾根。北側から見ても面白そうな尾根である事が解る。


富士ノ折立丸山尾根のアップ
 
 ススタケと灌木のヤブを抜けると草付きと岩場が現れる。ホットする瞬間だ。気になるのは昨年敗退した岩場。
 遠くから眺めただけだった。行けばなんとかなると思ったが、単独のリスクを避けての撤退だった。


灌木帯を過ぎると草付きとなる
 

岩場も現れてくる
 

左から雄山東面第一尾根、第二尾根、第三尾根
 

正面が第二尾根で左が第一尾根、右が第三尾根
 
 雄山東面には第1から第4までの4つの尾根がある。大汝山周辺に第1から第3尾根。富士ノ折立に第4尾根がある。
 最近はあまり登られていないようだ。岩がもろく、スッキリしたラインがないのが、その理由らしい。
 チャンスがあればそのうち行ってみたいと思う。


前回、ここからの稜線を見て撤退したのだった
 
 20分悩んで撤退した最後の三つの壁。何故行かなかったのか悔やまれるが、深い藪に向かって戻った判断も自分なりに評価している。
 結果、予想通り、危険な箇所はなかった。それはそれでいい。昨年の判断にけちをつけるものではない。


合流点の小ピークから雄山をのぞむ
 

左に薬師岳、獅子岳、鬼岳、龍王岳
 
 雄山南陵との合流点からは、踏み後もある簡単な尾根をたどる。気になるのは途中で別れた文山。
 「ビバーク装備は持っているから先に行ってくれ」と言われて置いてきた。終バスに乗らないと明日の結婚式に間に合わない。


ビールが待つ雄山に到着
 
 言われるまま来てしまったが、これで文山が遭難したら我々の取った行動はどうなるんだろう?
 ビバークする事もなく雷鳥荘に泊まるとの連絡が入って安心したが、正しい判断ではなかったと思う。


一ノ越に到着
 

室堂に戻る
 
 15時27分、雄山。室堂までは1時間もかからない。儀式みたいにビールで喉をうるおす。
 東陵をみても文山の姿は見えない。気になりながら雄山を後にした。許せ、文山。


立山高原道路からのぞむ雲海と桑崎山