明神岳縦走 |
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所在地 | 岐阜県高山市 長野県松本市 | |
上高地 | アプローチ | 上高地 |
登山口標高 | 1510m | |
前穂高岳 | 3090m | |
標高差 | 単純1580m 累積(+)1700m | |
沿面距離 | 登り6Km 降り5.5Km | |
登山日 | 2011年8月8日 | |
天 候 | 晴れ後ガス後雨 | |
同行者 | 中嶋 | |
コースタイム |
小梨平(5分)河童橋(45分)7番標識<休憩10分>(2時間50分)X峰平<休憩10分>(2時間25分)明神岳(1時間25分)前穂高岳(1時間45分)岳沢ヒュッテ<休憩20分>(1時間20分)河童橋(5分)小梨平 合計11時間20分<休憩40含む> |
1週間前と同じように国道41号線大沢野のバローで待ち合わせて買い物を済ませ、国道41を南下。 平湯のアカンダナ駐車場16時20分発の上高地行きバスに乗る。 |
8月7日 |
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上高地で絵を描いて50年という渡辺さんはまだ住んで(?)いた。前回撮った写真をプレゼントする。 |
小梨平キャンプ場の管理棟前にある食堂兼売店は商品が充実している。登山者のためだけにある売店のようだ。 |
8月8日 |
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夜、雨が降っていた。ような記憶がある。テンションが下がり、うっかり寝過ごしてしまう。目が覚めたのが5時だった。 ガスがかかっていて天候はよくない。どうする? また行き先変更か、敗退か。 とりあえず、7番標識取り付きの偵察だけでもと5時25分、小梨平を出発する。食料はパン2個とバナナが2本。水は1リットル。 |
歩き出してしまうとモードは変わる。もう「偵察だけ」なんてのは忘れてしまっている。 6時15分、河童橋から45分で7番標識に到着。ここから明神岳X峰まで藪漕ぎ覚悟の急登だ。 |
前明神沢と明神南沢の間の尾根は意外と草が薄く、踏み跡がしっかりしていた。 登山道とも思えるような踏み跡をたどる。左側には天狗の頭からジャンダルムへの稜線が見え隠れする。 |
所々背の低い笹や雑草でパンツを濡らすがすぐに乾く。気になるほどではない。 樹林帯を抜けたところが多分、「X峰平」だ。テン場も1張り分あった。少し傾いているが岩場に張り付いて寝るよりはいい。 |
このあたりから踏み跡が不明瞭となる。X峰への稜線に人の歩いた気配がない。 左の方になんとなく踏み跡のようなものが見える。中嶋を待たして低いハイマツ帯をトラバースして偵察に行く。 |
小さな尾根の向こうに明神への稜線が見えた。中嶋を呼ぶ。だが明神への稜線の右半分はガスの中だ。 X峰を振り返って見ると意外に高い。X峰の稜線を直登したら懸垂下降が必要なくらいに切り立った岩場だった。巻いて正解。 |
X峰を過ぎたあたりからガスが濃くなってきてルートファインディングが難しくなってきた。 とりあえず目の前の歩きやすいところ、踏み跡などをたどりながら行く。ガスがかかっていて地図を出す気にもなれない。 どのあたりを歩いているのか分からないまま歩いた。 |
多分W峰あたりだと思う。ガスが瞬間引いて、目の前に現れたのは屏風のように立ちはだかる岩峰群。 嬉しさと恐怖心が半々。さらに小梨平に戻ってテントを撤収して終バス(18時)に間に合うか?というプレッシャー。 |
所々にある赤テープが頼りだが、踏み跡もない核心のところになるとなくなる。核心部はテープさえ残せないということか? 「五里霧中」という言葉はこんな時に使ってもいいのだろうか? 多分違うと思うが気分はそれ。 |
突然、何十本ものスリングが残された支点を発見する。中嶋は次の支点が正解だという。だいたいここから下は100m以上先まで降り立つ地点が見えない。 さらに10m程行ったU峰ピークの下に支点があった。ここがU峰からの懸垂下降地点らしい。下をのぞくとかすかに先へと続く稜線が見える。 |
久しぶりの懸垂下降に緊張する。緊張すると言うより怖い。下が見えない。ガスがかかっているせいもある。 ザイルを出してみると30mだと思っていたザイルは50mだった。重いと思った。 お互いが持ち込んだ30mザイルをダブルで使う予定だったのに、中嶋が持ち込んだ30mザイルは無駄となってしまった。ごめん。 |
明神岳の主峰(T峰)は以外に簡単に登ってしまった。主峰だと信じられないくらいに... ガスでまわりの風景が見えないがどう考えても主峰としか思えない。岩に黄色いテープが巻いてある。 |
とりあえず頂上だと断定して降りにかかる。この降りの最後にクライムダウンが難しい場所に出る。 中間地点で行き詰まってしまった。何処を探しても簡単に降りられそうもない。ザイルを出す。他に巻き道があったのかもしれない。 |
ガスがかかっていて何処を歩いてきたのか全体像がつかめない。的確なレポートが出来ないのが残念だ。 昨年、奥又白池からA沢を詰めて登り切ったコルも確定できなかった。似たようなコルが2つあったからだ。 |
最後のピークのトラバースもルートファインディングが難しい。間違えても行けない事はないが無意味な危険は避けたい。 帰ってからGPSで昨年の軌跡を調べてみたら違うところを歩いていた。やっぱりというのが実感。 |
朝飯抜きで行動食だけ。最後の登りが体力的にきつかった。前穂の登山道に出たところで雨が降り出す。 前穂の頂上にはなんの興味もなかったのだが中嶋が行くと言う。付き合う。 |
前穂からの降りで濡れた岩が怖かった。今日の核心部かと思ったくらいだ。 紀美子平からの重太郎新道も急降の岩場でスピードが上がらない。それでも前穂から1時間45分で岳沢ヒュッテまで降りる。 時間は15時。ゆっくり20分の休憩を取った。 |
降ったりやんだりしていた雨は上高地に近づいたあたりからまた降り出す。テント撤収は雨の中となってしまった。 17時30分のバスで上高地を出る。 バスの中で今日を振り返ってみる。コーズの全体像がつかめなかったのが心残りだ。晴れた日にまた来るとしよう。 |