大辻山



粟巣野スキー場よりのぞむ大辻山と南尾根(2011年3月10日撮影)

所在地富山県立山町
立山町豊木 アプローチアルペンルート立山駅の称名川対岸
登山口標高480m
標   高1361m
標高差単純880m
沿面距離片道 Km
登山日2011年3月11日
天 候曇り後吹雪
同行者単独
コースタイム バスセンター(20分)豊木(2時間30分)1020m地点<休憩5分>(50分)豊木(20分)バスセンター 合計4時間5分<休憩5分含む>



当社のバスセンターに車を停めて取り付き(立山町豊木)へ
 

1000mを越えたあたりで猛吹雪となり、核心部を越えるのは危険と判断
 
 粟巣野スキー場から大辻山を眺めていて気付いた。頂上から南側に落ちている尾根を登れば最短で頂上に達する事が出来る。
 双眼鏡で何度も眺めてみる。全般的に急登だが、核心部は1100m〜1200mあたりだけだ。行けそうな気がする。


称名川対岸から大辻山南尾根を目視で再確認する
 
 天気予報は雪。だが、前日も雪の予報で晴れた。今日だって行ってみなければ分からない。晴れる事を祈って家を出る。
 8時50分、立山駅のバスセンターに車を預けて南尾根の取り付きに向かう。


導水管左の杉林から行く 
 

右側の導水管方向をのぞむ
 
 9時10分、予定通り、発電所の左側の杉林から取り付く。祖父岳の反省から今日はピッケル、アイゼン、ザイルにハーネスも持ち込む。リュックは10Kgを越えた。


斜度は45度ぐらいか?
 

45度は体感的には60度ぐらいに感じる
 
 斜度は体感的には60度を超すように思えるが横を見ると45度ぐらい。斜度を判断するには三角定規の30度、45度、60度をイメージするのが一番簡単だ。
 分かりにくければ、ストックを垂直に垂らし、もう1本のストックを直角に交差させて斜面との直角三角形を作ればだいたいは判断できる。


雪崩防止柵があるという事は雪崩があり得る?
 

導水管終点にあるサージタンク
 
 杉林の中も急登だが雪崩の心配は比較的低い。それでも雪崩止めがある。杉林を過ぎると灌木帯となる。
 灌木がないところはスノーシューとストックだけなので、万が一であっても滑落が怖い。


サージタンクは意外に大きかった
 

この奥に称名滝がある
 
 サージタンクの左側を巻いて行く。サージタンクの裏は貯水池となっていた。落ちたら冷たいし、這い上がる手がかりもなさそうだ。慎重に行く。
 その上からしばらくは斜度が落ちた尾根となり、快適に行く。


ここにも人が通った痕跡があった 残念
 

サージタンクの上から少しなだらかになる
 
 途中のブナの木に巻いたテープを見つける。人の歩いた痕跡を見るのは、実は、好きじゃない。初めてのルートを開拓するのが面白いのだ。
 降ったりやんだりしていた雪に風がついてきた。登るにつれ視界は悪くなり、吹雪となってくる。


残り300m地点で吹雪となり、視界も悪くなる 撤退を決意
 
 標高1000mを越え、残り300mだが、核心部はこの上にある。単独のリスクを考えて引き返す事を決めた。
 一息できる場所もなくすぐに下山開始。12時35分、取り付き地点に降り立つ。


通行止めの柵前も5cm程の積雪となっていた
 
 行くときは道路が見えていた県道も雪が5cmほど積もっていた。季節的にみて今年はもう無理だろう。
 予想通り、3日後にはもう雪崩れが出て地肌が出てしまっていた。 リベンジは来年だ。


3月10日 山肌は雪で覆われていたのだが
 

3月14日 雪崩で山肌が出ている