祖父岳 |
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所在地 | 富山市八尾町 | |
赤石集落 | アプローチ | 八尾町から車で20分 |
登山口標高 | 300m | |
標 高 | 831m | |
標高差 | 単純531m | |
沿面距離 | 登り2.0Km 降り2.5Km | |
登山日 | 2011年2月22日 | |
天 候 | 晴れ | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム |
赤石集落(2時間20分)祖父岳頂上<休憩1時間20分>(1時間15分)赤石集落 合計4時間55分<休憩1時間20分含む> |
新しい山行きも思いつかず、八尾に近い祖父岳に向かった。最短を狙って赤石集落からのコースとする。 正面壁は岩壁で無理なので北斜面から登る事にした。地図の等高線を見ても何とかなりそうだ。 |
赤石集落で唯一見つけた人に許可をもらって道路脇の除雪されたところに車を停める。 身支度を終え、9時5分、赤石集落を出発する。 |
正面に見えた尾根が気に入らず、左の杉林の尾根から行く事にした。突然、目の前に現れた池から100羽以上の鴨が飛び去った。 隠れ里のような池だった。さらに高さ10mにもおよぶ岩に下に沢山の薪が積んであった。ちょっと異次元の雰囲気。 |
左側の尾根にあがってから、軽いアップダウンを繰り返す。目の前に祖父岳が見えてから右に回り込む。 どこまで回り込めばいいのか分からない。右へ右へと回りながら少しずつ斜面を登る。 |
岩壁に突き当たり、さらに右に回り込む。登れそうな小尾根を見つけてそれをたどった。 |
凍ってカリカリの斜面にスノーシューの歯がなんとか効いている。どちらかの足が滑っただけでも体ごと落ちてしまいそうだ。 ストックはこんな状況ではあまり役に立たない。リングのすぐ上まで手を下ろし、雪面に突き刺す。ほとんど四つん這い状態で登った。 スノーシューとストックの世界じゃなくアイゼンとピッケルの世界だった。 |
気がついたときは手遅れで、降るのは危険。登しかなかった。左右に逃げることも出来ず、斜度が落ちるのを祈りながら登った。 単独のリスクか?緊張の連続で吐き気までしてくる。 |
「困難は乗り越えなければならないが、危険を乗り越えようとしてはいけない」という山の金言(?)がある。 もっともらしく聞こえ、行くべきか撤退すべきかの判断に使えそうに思える。だが、どこまでが困難でどこからが危険なのかを見極めるのは別の問題なのだ。 |
個人やパーティーの技術、経験、装備、気力によってその壁は大きく変わってくる。結局、「金言」は判断材料を何も与えてくれない。危険と困難の判断は自己責任なのだ。 一方、その危険と困難の狭間でルートを決め、装備を選ぶというのは登山の醍醐味でもある。 |
なだらかになってきた細尾根をたどって頂上に立つ。困難を乗り越えて得た頂上である。 標高も低く、距離も短い、小さな山だが、今日の祖父岳は達成感を感じさせる山だった。 高揚感というより、危険を乗り越えたという安堵感だったかもしれない。 |
ランチを取りながら降りのコースを考える。予定していた東陵は似たような斜度で下の方にムカデ印がある。 以前たどった事がある南陵が一番安全だ。南斜面だから雪も緩んでいるはずだ。下山のコースを南陵に決める。 |
コルに降りたって沢を見下ろす。以前、危険だと感じた沢だったが距離は短く、下のほうに杉の植林帯も見える。 最悪、降りられなくて戻ってもたいした距離じゃない。その沢を降る。 |
降りきって祖父岳のすそを北へとまく。最初に予定していた東陵は降らなくてよかった。 下の方は雪も付いていない急降だ。さらにその右側の正面壁は高さ30mほどの岩壁となっていた。 |
祖父岳のすそには地図に載っていない林道らしいものが走っている。それを左にはずれて赤石集落方面と向かう。 |
高くもなく、標高差もない山なのに緊張した。小さな山だからといって侮ってはいけないと反省。 逆に、近くの山でもコースを選べば楽しめるということか? そういえば今年はコースを変えた山行きが続いている。 |
登りより少し北寄りにコースを変えて降った。頂上から見て決めたルートだ。北側に畑が広がっていたからだ。 |
祖父岳は近くにある小さな山だが面白い。装備を調えて行けば色々楽しめそうだ。深雪の急登、アイスバーン、岩壁。 広々とした雪原の頂上でテントを張れば360度の星空を長めながらお酒が飲める。連休が欲しい〜 |