錫杖岳



錫杖沢より奥穂高岳、西穂高岳をのぞむ(2011年11月1日撮影)

所在地岐阜県飛騨市
登山口 アプローチ新穂高温泉への途中にある槍温泉から
登山口標高965m
標   高2168m
標高差単純1203m
沿面距離往復8.3Km
登山日2011年11月1日
天 候晴れ
同行者単独
コースタイム 登山口(1時間5分)錫杖沢出合(50分)二俣<休憩10分>(45分)コル(35分)錫杖岳南峰<休憩40分>(30分)コル(1時間15分)錫杖沢出合(40分)登山口
合計6時間30分<休憩50分含む>



 
 

 
 
 家で雑用を片付けながら行き先を考えていた。魔女が数日前に錫杖岳に行っていたのを思い出す。
 時間的に難しそうだが他に思いつかない。行けるところまで行ってみることにした。


新穂高温泉への車道からのぞむ南岳、奥穂高岳、西穂高岳
 

槍温泉から左の道に入る
 

10時ちょうど クリヤ谷登山口
 
 中尾温泉入口の駐車場(?)に車を停める。平日だからか停まっていた車は3台だけ。土日は6時前から満車になっているのに...
 9時50分、槍温泉に向かう。家に行き先を言っていなかったのと単独でもあったので登山口のポストに登山届けを入れた。
 結果、登山口出発が10時となってしまった。


クリヤ谷を渡るときに浮き石に乗って転倒
 

錫杖岳前衛峰が見えてくる
 
 時間はないが焦らずペースを作りながら行く。最初のクリヤ谷を渡るところで浮き石に乗ってしまった。
 右足で乗った石が左に転がった。支えるべき右手にカメラを持っていた。カメラをかばって肘から落ちる。
 右腰と右肘を痛打。一瞬、今日の錫杖岳は終わったと思った。しばらく我慢していたら歩けるようになった。水に浸かって濡れた右足の靴下を絞って歩き出す。右肘の出血は無視。時間がない。


「天空の城ラピュタ」を思わせる前衛峰
 
 錫杖岳前衛峰が近づいてくる。その岩壁に圧倒されそうになる。2回計画した1ルンゼは雨で延期。今年はもう無理かもしれない。
 今日は単独なので岩は無理。錫杖沢から頂上を目指す。


テントがひとつ張れる錫杖沢の岩屋
 

前衛峰の景色が変わってくる
 
 錫杖沢出合から錫杖沢を詰める。出合から20mほどで右に(左岸に)巻き道がある。
 この巻き道をたどり岩屋の手前で沢に降りる。真っ直ぐ行ってしまうと前衛峰の下にでてしまう。
 5年前、間違えて前衛峰まで行ってしまい、岩屋まで涸れ沢を戻った苦い経験がある。


前衛峰を横から見る
 

北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、西穂高岳
 

錫杖沢の小滝
 
 岩屋から200mほどだろうか? 錫杖沢を詰めると沢は2つに分かれている。ここは右側の沢から詰めた方がいい。ちょっとしたピークの上で左側の沢へ笹藪を50mほどトラバースして降りる。
 前回(5年前)、左側から行って右側から降りたときにそう思った。左側の方が難しい。あまり変わっていないだろう。


この正面に見えるピークは左裏から巻く
 

徐々に水流がなくなっていく錫杖沢
 

やがて涸れ沢となる
 

前衛峰と涸沢岳、奥穂高岳
 

コル手前は背の低い笹藪となる
 
 最後は背の低い笹藪の1本道(?)となり、大木場の辻とのコルの少し北側(50mぐらい?)に出る。
 特徴のないところで、今回も帰るときに行き過ぎてしまい、見つけるのに苦労した。


錫杖沢正面に見えたピークは左側から巻く
 
 錫杖岳の名前の由来通り、この山が杖だとしたら、杖が地面に刺さったその際を行くのがこのコースだ。
 右手が岩に触るくらいの距離で裏側を巻いていく。途中に小さなコルがある。錫杖沢正面に見えたピークの右側部分だと思う。


13時25分 錫杖岳南峰に立つ 時間切れで北峰(本峰)はパス
 
 視界が効かないので距離感がつかめない。13時25分、突然頂上に出た。ここは南峰で本当の頂上はさらに150mほど北にある。
 少し先にあるピークからは藪が酷く、今日は時間的にも行けない。


この標高は北峰(本峰)のもの
 

笠ヶ岳の左下に見えるのが北峰
 

槍ヶ岳、大喰岳
 

中岳、南岳
 

奥穂高岳
 

前衛峰を上からのぞむ 左方カンテ終了点から簡単に錫杖岳に登れそうだ
 
 前衛峰を上から見ると面白い発見がある。上の写真の右端が左方カンテの終了点だと思う。そこからの尾根沿いは笹藪となっていた。小ピークからハイマツ(オオシラビソ?)の細尾根をたどり左に(手間に)降りて大きなピークのバンド部分を巻けば錫杖岳のすぐ真下だ。そこから頂上まで藪こぎで出られそうだ。下から見るより簡単に頂上に行けるかもしれない。


14時5分頂上出発 16時30分登山口に戻る
 
 14時5分、頂上をあとにする。時間がない。気がせくせいか頂上からコルまで何回かコースアウトした。
 微妙に踏み跡があるのだ。行き詰まり、戻る。戻る体力より焦る気持ちの方が問題だ。
 コルから降る地点も行き過ぎてしまう。大木場の辻へ向かう踏み跡があり、赤いテープが見えたからだった。


登るときクリヤ谷で転んだときの右肘の傷
 
 沢は登るときよりも降るときの方が難しい。慎重に降る。16時30分 登山口に戻った。
 車に乗った際に右肘の傷が破れたらしい。ズボンが血だらけになって傷に気づく。包帯を巻いてテーピングテープで止めた。
 登山中に使った事のなかった緊急医療セットを初めて使った。それも下山後に、車の中で...