称名川上廊下



雷鳥沢出合からすでに雪渓は切れていた(2012年6月25日撮影)

所在地立山町室堂
室 堂 アプローチ室 堂
登山口標高2430m
標   高2230m
標高差単純(−)200m
沿面距離片道2.8Km
登山日2012年6月25日
天 候晴れ
同行者単独
コースタイム 室堂ターミナル(1時間20分)最終到達点(35分)ロッジ立山連峰<昼食35分>(45分)室堂ターミナル 合計3時間15分<休憩35分含む>



 
 

この先を曲がったところにツバクロの滝がある
 

みくりが池と別山
 

雪融け頃のこの色が好き
 
 みくりが池はまだ水より氷の方が多い状態。最初に見た時からこの池の色が好きだった。
 深い緑とコバルト・ブルーのコラボレーション。初めて手にした一眼レフ(ニコマート)で撮ったのもこの池だった。


地獄谷は有毒ガスが濃くなり今年から通行禁止
 

通行禁止の看板
 
 亜硫酸ガスの濃度が高くなって、今年から地獄谷歩道は通行止め。
 昨年も地獄谷を通る度に咳が止まらないくらいガスの濃度が高く、これで本当に大丈夫なの?という感じだった。
 やっぱりダメだったのだ。


閻魔台から地獄谷を見おろす 右奥が加羅駝山(からだせん)
 
 下廊下がダメなら上廊下。ここなら川にも雪渓が残っていて歩けるだろうと高をくくっていた。
 結果、大誤算。初めから雪渓が切れて川が現れていた。


雪渓の上を歩く予定だったのに
 

雪渓は切れて浄土川は全開
 

左岸の雪渓をたどり、途中で右岸の雪渓に渡る
 
 左岸の雪渓を降り、途中の雪渓の阿厚そうな所で右岸の雪渓に渡る。
 川にもクレパスにも落ちてはいけないのは当たり前だが、単独の場合は、さらにそのリスクが高い。


右岸の雪渓を行く
 

川水が青いのは地獄谷の水が混じっているから
 
 雪渓が切れた川を見ながら歩くのもいいと思った。普段の登山道とは違う景色が楽しめる。
 もっともここには登山道はない。季節限定の景色なのだ。


このあたりはまだのんびりムード
 

それでも落ちたくはない
 

この枯れた草付きのトラバースはちょっと嫌だった
 
 途中で雪渓が切れて涸れた草付きの急斜面が現れた。左岸に渡れるような雪渓もない。
 慎重に靴底のフリクションを使って通り抜ける。意外に滑らなかった。


草付きから岩に代わる
 

水が冷たくなければ沢の中も行けそう?
 
 足場は雪渓から岩に代わる。難しいところはない。怖いのは落石だけだ。
 緊張感とは関係なく、水の色がきれいだった。地獄谷の青く白濁した水が混じっているからかもしれない。


大日岳側のガラ場 落石だけが怖い
 

落ちたら流されるかもしれない
 

たどってきた称名川上廊下を振り返る
 
 川が大きく右に曲がっているところまで来た。ここを曲がればツバクロの滝だ。
 右側がもろい急な岩場なのが気になる。と思っていた矢先に、目の前をこぶし大の石が落ちていった。
 川の音で落石の音が聞こえなかった。ここで人生をかける気にはなれない。日をあらためることにした。


ここを曲がったところにツバクロの滝がある
 

ツバクロの滝までもうちょっとだったが単独のリスクがあり、引き返す
 

雪渓で覆われていたり切れたり
 

結構気が抜けない
 
 引き返せば、それで安心と言うわけにはならない。来たときと同じだけのリスクが残っている。
 それが解っているから、行くときのリスクへのプレッシャーは倍になっている。それを覚悟しないと何処にも行けない。


右岸に見える尾根の先端まで行った
 

帰りも嫌な草付きのトラバース
 

遠くの雲の中に見えるのは真砂岳
 

帰りは紺屋川をたどる
 

紺屋川のスノーブリッジ
 

スノーブリッジをくぐるリスクは避けた
 
 帰りは地獄谷から流れてきている紺屋川をたどる。手を入れてみると冷たくない。水も濁っている。
 そのまま行くと危険な地獄谷に行ってしまうので川から離れて「ロッジ立山連峰」に向かった。


ロッジ立山連峰の前のテーブルを借りてランチ・タイム
 
 「ロッジ立山連峰」前のテーブルを借りて昼食をとった。使うことを快く許してくれたのだが、最後まで誰も来なかった。


有毒ガスで黄色く変色した雪と枯れたハイマツ
 

雪融けが進んだみくりが池
 

みくりが池に写る逆さ立山(雄山)
 
 雪が溶けて、大日岳側の壁の岩が安定したら、また来るとしよう。面白いところだ。
 中廊下にも降りられそうなところがある。そちらからツバクロの滝へ行くことも出来る。
 大谷の滝も下から見ることが出来るかもしれない。今年は称名川に少しだけ、集中するかもしれない。