鍬崎山 |
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所在地 | 富山市大山町 | |
登山口 立山山麓ゴンドラ降り場 |
アプローチ | 立山山麓スキー場 |
登山口標高 | 1185m | |
標 高 | 2090m | |
標高差 | 単純905m 累積(+)1826m 累積(−)2445m | |
沿面距離 | 15.2Km(GPSデータ) | |
登山日 | 2013年3月27日 | |
天 候 | 曇り時々吹雪 | |
同行者 | 堀岡 | |
コースタイム |
ゴンドラ山頂駅(23分)瀬戸蔵山(42分)大品山(25分)1429mピーク<休憩10分>(1時間15分)独標(1時間15分)鍬崎山 4時間10分+休憩10分=4時間20分 鍬崎山<休憩10分>(25分)1760m<休憩1時間35分>(15分)独標<滑落55分>(1時間5分)大品山(38分)瀬戸蔵山(27分)ゴンドラ山頂駅(40分)駐車場 3時間30分+休憩1時間45分+55分=6時間20分 合計 7時間40分+休憩2時間5分+滑落55分=10時間40分 |
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「山に連れてって」「山に行こう」コールに、つい「次の計画は西穂か鍬崎山」と書いてしまった。 「どっちでもいいよ」との返事。安易に鍬崎山に行くことになった。 |
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ネットで調べると始発が8時半で片道は600円。だが電話で確かめると始発は8時だった。 朝、売札所で600円を払うと750円だという。まだ冬季料金でリフト3本分の料金らしい。 往復運賃は1000円。 |
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「鍬崎山まで行くので片道でいい」と言うと、慌てて「登山届をお願いします」と言われた。 ゴンドラ山頂駅を8時20分、出発。まだ青空も少し見える高曇り。毛勝三山がきれいに見える。 |
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きれいなブナ林を抜けて瀬戸蔵山へと向かう。8時53分、瀬戸蔵山の反射板を横目に右に折れる。 |
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残っているトレースはいつのものだろう? スノーシューズを履いているのでトレースは無視して好きなところを歩く。 |
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9時35分、大品山を通過。100m近く標高を下げて、また登る。ここはいつも帰りがきつい。 見慣れないプロペラ機が飛んでいった。何だろう? ついこの間、飛行機が編隊を組んで飛んでくる夢を見た。欲しいものを言ったら落ちてきた。まさかと思い、違うものを言ったらそれも落ちてきた。金貨が欲しいと言ったらじゃらじゃら落ちてきた。そんな変な夢だった。 |
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鍬崎山の尾根に左右にうねった広いところがある。以前、迷いそうになったところだ。 3年前、粟巣野スキー場から鍬崎山までピンクのテープをつけて歩いたことがあった。 ここは間違いやすいところなのでテープをつけたいのだが適当な枝がない。それで木に巻きつけた。それがまだ残っていた。 |
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独標からの細尾根、トラバース、急斜面。堀岡が心配になる。この季節のここ(鍬崎山)に連れてくるのはまだ早かったか? 不安が頭をよぎる。 |
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体力はあるのだが、その体力も限界にきている。そして経験(技術)がまだ足りない。 慎重にコースを選んでいく。天候は最悪で、真冬並みに吹き付ける粉雪。天気予報の読みも甘かった。 |
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12時40分、ほぼ予想通りの時間で頂上に立つ。心の中では来てしまった(来てもよかったのかな?)という思いもあった。 降りは登りよりも危険だ。アイスバーン、ザラメ、深い新雪の斜面を無事に降りられるだろうか? 強風で注意力も散漫になっている。緊張感が途切れないように、リュックを下ろすことなく、すぐに下山開始。 |
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ザイルを持ち込まなかった事を少し反省する。だが、確保点を作っているだけで時間をとられて暗くなるようでは、それも問題だ。 無事、降りてくれることを祈りながら降った。 |
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独標手前の大きなクレパスで風を避けて遅いランチタイムをとった。唯一風を避けられるところだったからだ。 これも反省すべきところだった。危険な独標を降ってからにするべきだった。 そして時間をとりすぎた。緊張感がなくなっていた。 |
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後ろを歩いていた堀岡が何かしゃべっていると思っていたら叫び声に変わった。 堀岡は左側の和田川に向かって滑り落ちていた。20mほど下に大きな木がある。「そこで止まれ」と思ったがぶつかってさらに落ちて行ってしまった。 流されるままになっている。「止めろ!」「止めろ!」と何度も叫んだが、聞こえているのだろうか? 意識はあるのだろうか? 流されるままだ。 |
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谷が視界から消える手前でなんとか止まった。止まってくれた。動いている。立ち上がっている。行くまで動くな。 「痛いところはないか」と叫ぶ。「大丈夫」だと返事が返ってきた。歩いているので足は大丈夫なようだ。 尾根を少し降った木のないところから斜面を滑り降りた。いきなりクレパスが現れる。一つ目は飛び越えたが二つ目が大きかった。 飛び越えられず落ちてしまった。そして右足首を捻挫してしまう。斜面を滑り降りたのは軽率な行動だった。 堀岡は歩いているので、そこで(クレパスで)待つことにした。 |
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クレパスで堀岡と合流。大丈夫そうだ。クレパスから稜線まで約100m。登り返す。 もう少しというところで堀岡がまた滑り落ちた。最初の小さなクレパスで止まった。よかった。 登り返してきて、また滑り落ちた。止まれ。止まってくれ。狭いクレパスでまた止まった。よかった。 堀岡はもう気持ちが折れている。スノーシューズをはずして、坪足のキックステップで登らせる。 もっと早く坪足で降りてくるべきだった。 |
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時間がかかってもいい。ゆっくり降りる。右足は大丈夫だった。そんなに痛みはない。 反省すべき事ばかりが頭をよぎる。人を誘うときはもっと慎重にならなければいけない。 山の選定、装備、天候、現場の状況判断、メンバーの力、パーティーの総合力...すべてがあまかった。 |
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止まってくれてよかった。あの先はもっと急な狭い谷となっている。何かあったら全ては私の責任だ。 瀬戸蔵山からは虚脱感だけで降った。ゴンドラ山頂駅からヘッドランプをつける。 スキー場の圧雪車の運転手がスピーカーで何か叫んでいる。怒っているようだ。 だが、いまの我々(?)に、怖いものは何もない。無事帰ってこられただけでいい。 19時ちょうど、駐車場に戻る。 |
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今日は山の神の誕生日なのに何も出来なかった。 パン屋さんも閉まっていた。10時までやっている「アルビス」に寄ってもケーキはない。 コンビニで、ショート・ケーキとサントリーの「ほろよい 麦とレモネード」を買って帰った。 |