黄金平



横尾本谷右俣「黄金平」からのぞむ屏風ノ頭

所在地穂高連峰
上高地 アプローチ平湯温泉からバスで上高地へ
上高地標高1500m
南岳標高3032m
標高差単純1532m
沿面距離5日 16.8Km  6日 10.5Km
登山日2013年10月5〜6日
天 候5日 曇り  6日 晴れ
同行者山岸、岩月
参考コースタイム
 県の山 山と高原地図(山と渓谷社)
上高地(1時間)明神館(1時間)徳沢園(1時間10分)横尾(1時間)本谷橋(不明)南岳小屋
4時間10分+不明=不明

南岳小屋(2時間45分)槍平(1時間)滝谷(1時間)白出沢(1時間30分)新穂高温泉
6時間15分
コースタイム
 
上高地(42分)明神館(40分)徳沢園<休憩8分>(43分)横尾<休憩12分>(50分)本谷橋<休憩10分>(45分)涸沢出合(2時間30分)黄金平<休憩20分>(35分)2460m<休憩10分>横尾尾根<休憩10分>(1時間35分)南岳小屋
歩行9時間25分+休憩1時間10分=10時間35分

南岳小屋(2時間)槍平<休憩20分>(35分)滝谷(1時間5分)白出沢<休憩7分>(1時間13分)新穂高温泉
歩行4時間53分+休憩27分=5時間20分


 ネットで見つけた黄金平。写真で見た風景もいいが、名前がいい。桃源郷のような響きがある。
 岩月が行ったことがあると言うので連れて行ってもらうことにした。紅葉の季節にあわせる。

10月5日



上高地から南岳まで1日で抜けた
 


本谷橋から登山道を離れて横尾本谷に入る
 


横尾本谷右俣の鳥瞰図
 

 朝5時にアカンダナ駐車場に集合。5時20分発、上高地行きのバスに乗る。
 天気予報がよくないにも関わらずバスは2台になった。平湯バスターミナルで2台目も満車となる。


バスターミナルはすでに人でいっぱい
 

食欲をそそるものが並んでいる
 

 上高地バスターミナルで豚汁(300円)を買った。おにぎりにマッチして美味しい。
 ボリュームがないのが少し残念。6時10分、バスターミナル出発。


明神館は人でいっぱい
 

徳沢園は人が少なかった
 

 二人とも歩くのが速い。いきなりのトップスピードだ。42分で明神、40分で徳沢。小休止を入れる。
 さらに43分で横尾。横尾は四叉路だからか人でいっぱいで、トイレにも行列が出来ていた。


横尾山荘は人でいっぱい
 

本谷橋と屏風岩
 

 9時25分本谷橋到着。小休止後、横尾谷左岸の藪に入る。踏み跡はあるが藪こぎに近い。


本谷橋の横に仮橋があった
 

ここから登山道を外れて横尾谷へ入る
 

 藪こぎになれていない岩月はもがいているだけで進まない。見ていて可笑しい。
 しばらく行って沢に降りた。このあたりは水量も多く、岩も大きい。


プチ藪こぎから沢へ降りる
 

このあたりは岩も大きい
 

 履いているのは沢靴じゃないので水流は避ける。横尾谷は左岸を行った。
 横尾谷は涸沢と横尾本谷に分かれる。右の横尾本谷に入る。


屏風岩は紅葉の見頃か?
 

 屏風岩の紅葉が見頃のようだ。涸沢への登山道からは眺められない角度だ。


このあたりに水流があったかどうか記憶が不明
 

 横尾本谷は左俣と右亦に分かれる。右亦を行く。どこまで行っても振り返れば屏風岩が見えるのが右亦だ。


急な沢はここまで
 

細かった谷が草付きの広場となる
 

 細く、急になっていく右亦を詰めていくと、突然なだらかな草原に出る。黄金平らしい。
 時間は12時50分。今日の目的地だったが時間が早すぎる。


テントを張れる場所がいくつかあり、たき火の跡も残っていた
 

 ここでテントを張ったら、明るいうちから飲んで寝てしまい、目が覚めたら7時とか8時になる。
 そうなると夜が長すぎる。


時間が早かったので南岳をめざす
 

最後の水場なので3リットル汲んだ 重い
 

 歩くのが嫌になっていたが南岳を目指すことにした。途中でビバークすることも考えて水を3リットル汲んだ。


ナナカマドの紅葉はもう数日かかるか?
 

 足が前に出ないのでアミノバイタルでごまかす。これが効いたのか、行動食をとったからなのか、疲れを感じなくなった。


この雪渓は10m×30mほどの広さがあった
 

かすかな踏み跡がある
 

 黄金平からもうひとつ棚を越えると広いカールに出る。大きな雪渓も残っていた。
 ここを黄金平と言うのかもしれない。


涸沢の近くにあるのに人がいない別天地
 

 徐々に斜度が増し、ザレ場も出てくる。最後にどこに出るかが問題なので踏み跡を見失わないようにたどる。


絵に描いたようなダケカンバ
 

急なガレ場を登り切れば天狗原への尾根
 

 尾根の手前でトラバース気味に右にコースを変える。出たところは天狗原へ降りるところだった。


天狗原への分岐に出てホッとする
 

だがそこからの登山道も普通ではなかった
 

 尾根に出ればあとはだらだらと歩くだけかと思っていたらあまかった。岩場の急登が続く。


登山道を作れるような場所じゃない
 
 


ガスが引いて槍ヶ岳が見えてくる
 

 カールの途中からかかりだしたガスがひいてきて、槍ヶ岳が見えた。
 ガスと尾根が微妙に絡まって絵に書いたような眺めとなっている。


ガスが引いてカールも見えてくる
 

 16時25分、中岳〜南岳の縦走路に出る。よくがんばった。
 南岳はまだ遠いが、もう急登はない。改めて景色を堪能する。雲海に浮かぶ富士山、燕岳、後立山連峰。


穂高の縦走路に出てホッとする 遠くは南岳
 

雲海に浮かぶ燕岳
 

 16時45分、南岳小屋到着。テントを張り、小屋の入り口のテーブルを借りてビールを飲んだ。美味しい。


前穂、北穂、奥穂、南岳小屋
 

 それほど飲んでいないのに、いつ寝たのか覚えていない。いろいろ山行きの約束したらしいが、またいつか聞かせてちょうだい。

10月6日


 真夜中に目が覚めてしまった。時間を知りたいが時計の場所も、ヘッデンの場所もわからない。
 誰か起きてくれれば時間が聞けるのに誰も起きない。長い長い夜を過ごした。


昨日がんばったので今日はもう登らなくていい
 


雲海に浮かぶ南アルプス
 

富士山と甲斐駒
 

 今日はもう降りるだけ。昨日がんばったご褒美だ。ゆっくりとした朝を過ごす。


北穂高岳と大キレット
 

 8時10分、南岳小屋を出発する。今日、黄金平から登ることを考えると昨日登っていてよかったと思った。
 3人で何回もそのことを確認し合った。


北穂高小屋
 

南岳新道
 

 南岳新道は急降(急登)の尾根道が続き、梯子が多い登山道である。
 その梯子が壊れていたり、外れていたりでほとんど整備がされていないようだ。


南岳新道は途中に細尾根がある
 

急降が終わって一安心
 

 10時10分、鑓平。小休止を入れる。今日唯一のアルコール、缶ビールを1本いただいた。


槍平小屋
 

槍平小屋のフロント兼売店
 

 13時30分、新穂高温泉到着。タクシーで平湯温泉までもどり、平湯の森で温泉につかった。


白出沢からのぞむ涸沢岳
 

 黄金平は素敵な場所だった。また行くと思う。次回は横尾本谷左俣から入って南岳小屋に泊まり、右亦から黄金平を降ろう。