横岳の謎の池 |
---|
所在地 | 富山市、飛騨市 | |
大多和林道1000m地点 | アプローチ | 国道41号線土集落より有峰林道へ入る |
登山口標高 | 出発地点1000m 下山地点640m | |
標 高 | 1585m | |
標高差 | 登り585m 降り945m | |
沿面距離 | 登り2.5Km 降り7.3Km | |
登山日 | 2013年11月9日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 洋平(伊藤) | |
コースタイム |
林道出発【1000m】(30分)クズレ谷【1125m】(50分)二俣【1440m】(45分)稜線【1585m】<休憩1時間55分>(1時間45分)林道【1000m】(1時間10分)佐古集落【640m】 歩行5時間+休憩1時間55分=6時間55分 |
前日に洋平から横岳の誘いが入る。前から暖めていた山行きだった。 明星山を延期したので他の予定はない。即答で決めた。 |
帰りは佐古集落のゲイトまで歩いて戻った |
ネットで調べてみても、無雪期に入っている記録はない。文献では「越中の百山」に大多和峠からテントを担いで入ったものと、「飛騨の山」(飛騨山岳会)にクズレ谷から入った記録があるのみである。 ネットには池のことも祠の事も書かれたものはない。 |
なので、目的は横岳ではなく、その稜線上にある祠と池を見ることとなる。楽しみである。 池は何故か不自然に県境が曲げられていて、岐阜県になっている。 実際に見れば何故そうなったか解るかもしれない。 |
大多和集落はもう久しく人が住んでいない集落である。だが無雪期だけ通っている人がいる。 その中の1人、原田さんに佐古のゲイトを開けてもらって大多和の先まで送ってもらった。 |
大多和集落と大多和峠の間にあるクズレ谷は昔から難所で「峠の谷」とか「大崩し」と呼ばれていたらしい。 今も崩壊が進んでいるようで、その部分の林道の幅は広くなっている。歩行用のトンネルまであった。 |
クズレ谷を過ぎた尾根(標高1000m)から取り付き、樹林帯を行く。 途中で道跡らしいものを見つけてそれをたどる。古い材木の切り出し道だったらしい。 1125m地点でクズレ谷に降りる。草も枯れていて歩きやすい。 |
何カ所か小さな滝があったが左側から高巻く。よく見るとトラ縄が垂れている。 この沢が登山道として使われている証拠なので少しほっとする。 |
沢の合流点で右にコースをとる。左に行けば横岳の近くに出るようだが、そこは今日の目的地ではない。 稜線近くで、さらに、沢は二つに分かれている。左の方が池に近そうだったのだが右を選ぶ。 右の方が歩きやすそうに見えたからだ。 |
いきなり稜線に出る。想像もしなかった草原だった。 その草原に違和感たっぷりのドラム缶のようなものが立っていた。好奇心爆発寸前だ。 近づいてみると祠だった。横に鉄製の錆びた古い祠がたっていた。 黄色いプラスチック製の祠は初めて見た。だが、担いで登るにはこれしかなかったのだろう。 |
祠から西に50m程のところに池があった。白木峰の浮島みたいな感じだ。池と言うより大きな地唐のようだ。 だが、単なる地唐が県境を変えるだけの力を持っていたというのが謎だ。 この池に、今はもう語り継ぐ人もいない伝説があったのかもしれない。 |
この池は飛騨山岳会編著の「飛騨の山」によると「桔更ケ池」と呼ばれているようだ。 さらに「蓮ヶ池」という名前も出てくる。後で見つけた草原の東端にあった地唐がそれか? 「越中の百山」には「桔更ガ池」と「権現池」という名前の池が出てくる。これは隣接していたらしい。 |
平成10年(1998年)9月に飛騨山岳会を案内したのが、今日、登山口まで送ってくれた原田さんだ。 そのとき、飛騨山岳会は池から横岳まで1時間半、帰りに1時間をかけている。 今日、行かなくてよかった。 |
祠の近くでランチタイム。洋平が持ち込んだのはサントリープレミアム。恵比寿を持って行ってよかった(^_^) |
尾根に踏み跡がある。西側は鞍部で消えていた。東側に行ってみるとやはり鞍部で消えていた。 その先端に地唐があった。これが「蓮ヶ池」だと思う。 「権現池」は「桔更ケ池」と繋がってしまって、いまの瓢箪型の「桔更ケ池」になった。←池原説 |
南側に際立って見えた山群は笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山だ。手前の天蓋山が双似峰のように見えた。 |
帰りは難しいところもなく淡々と降る。淡々と行きすぎて沢から尾根への取り付きを見過ごしかけた。 灌木の少ない樹林帯を降って林道に戻った。迎えに来る車はいないので佐古まで歩く。 |
大多和集落は急峻な大多和川にあってなだらかな地形を持っている隠れ里のようだ。 吉村朝之著「源流をたずねてW」に「大多和」の地名は「大きくたわんだ土地」から来ているとあった。納得。 |
同著では跡津川が打保谷川と大多和川のどちらが本流なのかなどの、興味深い検証もなされている。 |
次回は二俣から左の沢を詰めて横岳を直登したいと思う。積雪期に尾根から取り付くのも考えられる。 横岳は高幡山を含めて、もう一度行きたい山である。 |