神様の石碑



昭和の初期に建立されたとされる神様の石碑


所在地富山市猪谷
 出発地点 アプローチ高山線の線路を越えて西猪谷の山へ
出発地標高240m
標  高400m
標高差単純160m
沿面距離800m
登山日2014年11月16日
天 候曇り
同行者単独
コースタイム 駐車場所(30分)神様の石碑<休憩10分>(20分)出発地点
歩行50分+休憩10分=1時間



藪に迷い込んだが鉄塔の点検道を見つけ、最後は鉄塔から少し降った
 

 猪谷の郷土史によると「神様の石碑」は太平洋戦争が始まる前年、太陽神を神とあがめる猪谷の祈祷師「中田徳右衛門」の建立とされている。

 今春、地元の有志によってその存在と場所が確認されたことが北日本新聞に載った。行くしかない。


林道の先に祠があった
 

林道を戻り、ここから取り付く
 

 雨の予報が続く中で1日だけ晴れの予報。気になっていた神様の石碑を探しに行く。
 場所は分からないが地元で聞けばなんとかなるだろうと軽い気持ちで家を出る。

 猪谷に着いてみると人がいない。歩き回って出会った人に聞いてみるが誰も知らない。
 駅前に猪谷関所館があったのを思い出し、中に入って聞いてみる。
 駅前まで出てくれて、だいたいあのあたりではないかと教えてくれた。半径100mほどのアバウトな範囲。
 それでもだいたいの方向だけは分かった。

 「熊に注意してください」に「大丈夫です」と答えた。根拠はないが何故か今日は熊に遭わないだろうという自信があった。


踏み跡がなくなり藪をこぐと前方に工事現場が
 

鉄塔の点検道にあった旭日碑の標識
 

 高山線の下をくぐって山側の道を行く。山に取り付く道があるはずなのでそれを探す。
 祠のあるところまで行って戻る。途中に2カ所ほど山道のようなものがあった。
 戻って、大きそうな方の山道に入る。だがすぐに踏み跡はなくなった。

 上の方に鉄塔を組み立てている工事現場が見えたので、そのまま藪をこいだ。
 工事関係者に神様の石碑を聞いてみたが誰も知らない。彼らは地元の人じゃないので当たり前か。

 工事現場の横に山道があったのでそれをたどる。垂木と抜き板で作られた「旭日碑」の標識を発見。
 この道で間違いないようだ。


鉄塔の脇にあった二つ目の旭日碑の標識
 

標識が示す方向を信じて藪に入る
 

 鉄塔に出たところに、もう一つの「旭日碑」の標識があった。この道は北電の鉄塔の点検道だった。
 ここから先は未知の世界。人が入った形跡があるはずなので観察眼が頼り。あとは勘。

 標識の抜き板の切り口の片方が斜めになっている。矢印に違いない。その先は下を向いている。
 そこに灌木を切った跡があった。そこに踏み込む。
 歩きやすそうなところを選びながら進んでいく。100mほど降って引き返そうと思ったとき、前方に丸い石が立ってるのが見えた。


100mほど降ったところに神様の石碑があった(高さ1.2m)
 

 石のあるところまで行って、回り込んで見ると旭日が彫り込まれていた。
 見つけた。間違いなく神様の石碑だ。大きい。新聞には下から引き上げたと書かれていたが信じがたい。

 近くにあった石に旭日の模様を彫ったと考えたほうが自然だ。
 平らなところに置かれているので多少は移動したのかもしれない。それが下から引き上げたという伝承に変わったのだと思われる。


雪に押されたのか、やや前方に傾いている
 

右側10m程のところに同じような石があった
 

 神様の石碑の右側にも似たような石があった。距離にして約10m。これにも何か掘るつもりだったのかもしれない。
 どちらも山の中にあるのに河原石のように丸いのが不思議だ。
 時々見かけたことがあるような気がする岩だ。砂岩の一種ではないかと思うが岩石については不勉強。


山の中には同じ種類の石が沢山あった
 

いくつかあった石垣は田の跡か?
 

 帰りは点検道をたどる。林道からの取り付きに「旭日碑」の標識があった。これが最初の標識か?
 さらにその下にあった「熊に注意」の標識は下山後に見ることとなった。


点検道を降って林道に出ると旭日碑の標識が
 

林道の入り口には「熊に注意」の標識が
 

 思ったより簡単に見つかってしまい、持ち込んだランチはそのまま持って帰った。
 郷土史でこの岩の歴史を調べてみようと思う。