ソンボ谷



今年は残雪が多い

所在地岐阜県飛騨市
  中山集落 アプローチ>国道41号線を南下して猪谷を過ぎた中山集落から
登山口標高250m
標   高750m
標高差単純500m
沿面距離片道5.5Km
登山日2014年4月26日
天 候
同行者単独
コースタイム 中山(1時間40分)水無谷川出合<休憩50分>(2時間5分)中山
歩行3時間45分+休憩50分=4時間35分



終点から漆山岳もソンボ山も近い
 


片道で5.5Km
 

 子供の頃、父がよく高原川対岸の山のことを「ニッサンチュウ」と呼んでいた。
 大津山からのぞむ対岸の山は距離で4Kmある。600mの標高差を降って登らないと行けない。
 先日登った「折石山」はその「ニッサンチュウ」にある山の一つ。 その折石山の裏に流れているのがソンボ谷である。


中山集落の上で車止めとなっている
 

落石は片付けられていた
 

 「ニッサンチュウ」が、おとぎの国のような不思議な響きを持っていた。
 どういう意味なのか、どういう字で書かれているのか聞けないまま、父は亡くなってしまった。

 名古屋の岩月が「ニッサンチュウ」は「西山中」ではないかと教えてくれた。
 確かに大津山から見ると、西側にある山群である。分かって、ほっとした反面、永遠の謎であって欲しかった「ニッサンチュウ」でもあった。


サージタンク代わりの排水路だと思う
 

取水口
 

 大津山から静岡へ引っ越した南さんからのメールに、お父さんが、このソンボ谷で炭を焼いていて、子供の頃の夏は、よく、ここで過ごしたとあった。
 この谷の何処に家があったのだろう? 廃村、廃屋は何処の地であっても気になる。


デブリ
 

 父の話に「ニッサンチュウ」の言葉がよく出てきていた。だが何の話をしていたのか覚えていない。
 ただ、その言葉の響きだけでおとぎ話の国、不思議な場所だというイメージだけが残っていた。
 その「ニッサンチュウ」を東西に分けて流れているのがソンボ谷である。


水無谷出合の水無谷橋
 

昔はここに家があったようだ
 

 漆山岳、折石山、ソンボ山を登るのも、そんな想いがあるからだと思う。
 いつまでも、ゆっくり1人で登りたいと思わせる、永遠の山域である。


カモシカの毛
 

カモシカのあごの骨
 

 ソンボ谷は普通の登山者が来ても面白いところではない。お勧めは出来ない。
 両側から覆い被さる山の間をソンボ谷が流れるだけのなんの変哲も無い所。そんな所は何処にでもある。


立ったままでランチ
 

アルペンルートで売っているカップ麺
 

 目的地がないので水無谷川出合で終了とする。左の水無谷川をたどれば漆山岳へと続き、右のソンボ谷をたどればソンボ山だ。
 だが、今日はここで終了。ビールを飲みたい。


コゴミ畑を発見
 


大きなものだけ採る
 

 偶然コゴミ畑を見つけてしまった。ソンボ谷の入り口に山菜採り禁止と書いてあった。
 見てしまった以上、見逃すわけにはいかない。より分けて大きい物だけいただいた。ごめんなさい。


山桜が満開
 


マムシ草の由来はこの模様
 

 春。花が咲き始めるこの時期は、どんな花にも目が行ってしまう。何でも撮ってしまう。
 見飽きた花ばかりですが、付き合ってください。


キクザキイチゲ
 

アズマイチゲ
 

何とかスミレ(?)
 


ネコノメソウ
 

タチツボスミレ
 

ヒトリシズカ
 


ヤマブキ
 

ハルユキノシタ
 

エンレイソウ
 


キケマン
 

キバナイカリソウ
 

モミジイチゴ
 


エンゴグサ
 

ニリンソウ
 

ショウジョウバカマ
 

 故郷、大津山から眺められる唯一の下界の光が蟹寺にある発電所の明かりだった。
 それは大津山が下界から遠く離れた辺境の地でないことを証明してくれる明かりだった。
 子供心にも、ただ下界の明かりが見えると言うだけで意味も無く安心出来る存在だった。


ソンボ谷の北側斜面を登って眺めた蟹寺発電所