錫杖岳



南峰より北峰(本峰)をのぞむ 後ろは笠ヶ岳、抜戸岳

所在地岐阜県飛騨市
登山口 アプローチ新穂高温泉への途中にある槍温泉から
登山口標高965m
標   高2168m
標高差単純1203m 累積1380m(GPSより)
沿面距離往復8.3Km 9.9Km(GPSより)
登山日2014年10月18日
天 候晴れ
同行者洋平
コースタイム 駐車場(1時間25分)錫杖沢出合(55分)前衛峰下<休憩25分>(50分)コル(40分)錫杖岳南峰<休憩1時間>(45分)コル(1時間45分)錫杖沢出合(1時間10分)駐車場
合計8時間55分<休憩1時間25分含む>

 


コースを間違えて前衛峰の下まで行ってしまったが結果オーライ
 


最後の30mほどは軽い藪こぎになるがこちらの方が歩きやすい
 

 洋平(伊藤)からメールで山の誘いが入っていた。行き先も決められず返事を延ばしていたら、前日に電話での催促となる。
 行き先は二人の故郷である神岡方面の方がよさそうだ。そちらで面白そうな山は...錫杖岳。


中尾温泉分岐の駐車場に車を停める
 

 3年前に休憩を含めて6時間ほどで往復しているので朝はゆっくりでいい。これはちょっと甘かった。
 7時に洋平の家(大沢野)で落ち合う。洋平のレクサスで登山口へ向かう。


槍温泉横の登山口
 

新緑の季節のような雰囲気
 

 中尾温泉分岐の無料駐車場に車を停めて、8時半、出発。槍温泉入り口の横が登山口である。
 慌てることはない。ゆっくりペースを作っていく。


紅葉に映える錫杖岳前衛峰
 

 クリヤ谷の徒渉点で女性がうずくまっていた。怖くて渡れないと言う。だましだまし渡らせた。
 沢も渡れない人がなぜ1人で来るのかと不思議に思っていたら前衛峰の近くでカメラを構えていた男性の仲間だった。
 「クリヤ谷に女の人がいなかったか?」と聞いてくる。彼女の旦那さんのようだ。
 この人は夫としても登山者としても失格だと思った。


錫杖沢出合
 

出合には7張りのテントがあった
 

 登山道から錫杖沢出合へ降りる。テントが7張りあった。前衛峰の登攀だろう。
 錫杖沢に入ってすぐ右側(左岸)の踏み跡に入る。以前、左側(右岸)の藪に入って敗退したことがある。
 そして今回も道を間違えてしまう。岩室の手前で沢に降りずに前衛峰の岩場に向かってしまった。


前衛峰の左側に2パーティー6人がいた
 

 途中で気づいたが戻る気になれない。前回(3年前)に登ったときに前衛峰からも行けそうだと思ったのを思い出した。そのまま登る。
 予想通りに前衛峰の下に出てしまう。ここから左に岩壁の下を左に回り込む。
 左側に見える沢は2本。手前の沢ならなんとかなる。その先に見える沢なら無理だ。諦めるしかない。


中断にいた3人
 

その下で待っている3人
 

 休憩を取りながら前衛峰の左側に張り付いている2パーティーの6人組を眺める。
 30分ほど眺めていたが全然進んでいなかった。下で待っているパーティーも大変だっただろう。


前衛峰の下部を巻いていく
 

 これ以上行けないというところから左の沢に向かう。竹藪を交えた藪こぎになる。
 意外に簡単に右側の沢に降り立つことが出来た。藪こぎは30mほどだっただろうか?
 ここから沢を登り詰め、左の沢へと笹藪をトラバースする。
 このトラバースで10数名のパーティーとすれ違う。ザイルをコンテで結んでいる。歩き方を見れば初心者。
 ガイドはいるのか? いたとしたらガイドも初心者だ。初心者を結んだザイルは道連れザイルでしかない。


錫杖岳前衛峰と遠くに奥穂高岳、西穂高岳
 

 左側の沢を詰めていくと徐々に幅が狭くなり、笹藪に埋もれていく。12時5分、コルに到着。
 邪魔なストックはコルにデポする。踏み跡は最低鞍部より10mほど錫杖岳側にあるので帰りに行き過ぎないように注意しないといけない。


コルからは裏側(西側)に回り込む
 

岩の下部をたどっていく
 

 コルからは錫杖岳の岩場の裾を西側から巻いていく。ハイマツのジャングルジムみたいなところもある。
 踏み跡は薄く、先ほどの団体が通った跡はない。歩いているスピードから考えても頂上には達しているとは思えない。途中で引き返したのだろう。


昨年の積雪期は核心部だったところ
 

 昨年の3月に錫杖岳を縦断し時の核心部のひとつがこの場所だった。1回目はここで敗退。
 2回目はクリア出来た。理由はザイルを持ち込んでいたので攻めることが出来たからだ。
 ザイルがあれば最悪、撤退できる。ないと孤立してしまう危険性がある。


本峰と前衛峰の中間にある尖塔(?)
 

 錫杖岳南峰は突然目の前に現れる。ハイマツ帯が切れたと思ったらすぐそこが頂上である。
 北峰へはさらに酷いハイマツの藪こぎになるので今回はパスした。


穂高連峰は雲に覆われ始めた
 

 前衛峰と頂上の間にある大きなタワーは高さが100mほどもありそうだ。ルンゼも何本かあり、登れそうな気がする。興味深いところだ。
 ただ、とりつきまでが大変だ。テントを持ち込んでの登攀となりそうだ。


右俣の最初の壁は登れても降りるのは難しい
 

 13時45分、頂上を後にする。降りの方がルーファイが難しい。何度か踏み跡を外した。
 コルまで45分かかった。登りは40分だったので。降りの方が時間がかかっている。


錫杖岳前衛峰に夕闇が迫っている
 

 コルからは左俣を降り、途中で笹藪をトラバースして右俣に移る。右俣を使って二俣まで降りた。
 前衛峰経由の方が安全で楽なようだ。登りも降りもこちらをお勧めする。
16時15分、錫杖沢出合到着。登りも降りも同じ1時間45分かかった。歩きやすさの違いだと思う。


飛岳の湯で暖まる
 

 17時25分駐車場到着。ヘッデンを出さずにすむ、ぎりぎりの時間だった。
 「飛岳の湯」で汗を流し帰路につく。