赤谷山 |
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所在地 | 上市町、立山町、黒部市 | |
馬場島 | アプローチ | スーパー農道より車で30分 |
登山口標高 | 950m | |
標 高 | 2260m | |
標高差 | 単純1310m 沿面1470m(GPSデータより) | |
沿面距離 | 12Km(GPSデータより) | |
登山日 | 2015年11月22日 | |
天 候 | 曇りのち小雨 | |
同行者 | 単独 | |
参考コースタイム 山と高原地図 (旺文社) |
ブナクラ谷取水口(1時間50分)戸倉谷出合(1時間)ブナクラ峠(2時間40分)赤谷山(2時間10分)ブナクラ峠(40分)戸倉谷出合(1時間30分)ブナクラ取水口
合計9時間50分 | |
参考コースタイム 富山県の山 (山と渓谷社) |
ブナクラ谷取水口(2時間30分)ブナクラ峠(2時間30分)赤谷山(2時間)ブナクラ峠(2時間)ブナクラ取水口 合計9時間 | |
参考コースタイム 富山の百山 (北日本新聞) |
ブナクラ谷取水口(1時間20分)戸倉谷出合(1時間50分)ブナクラ峠(2時間10分)赤谷山(1時間40分)ブナクラ峠(1時間)戸倉谷出合(1時間20分)ブナクラ取水口 合計9時間20分 | |
コースタイム | ブナクラ谷取水口(1時間15分)戸倉谷出合(55分)ブナクラ峠<休憩5分>(1時間45分)赤谷山<休憩30分>(1時間5分)ブナクラ峠<休憩10分>(40分)戸倉谷出合(1時間)ブナクラ取水口 歩行6時間40分+休憩45分=7時間25分 |
赤谷山が気になっていた。室堂(2450m)のライブカメラで雪がないことを確かめる。 天候がよくなさそうだが、その後は1週間雨マークだ。今年最後のチャンス。 軽量化を図り、アイゼンとピッケルは持ち込まない。行けなかったら、潔く引き返すだけ。 アイゼン、ピッケルがなかったら登れない赤谷山を単独で行くのは別次元のモチベーションが必要。 |
朝5時の目覚ましには体が反応できなかった。少し飲み過ぎたのと寝不足か? 5時半の目覚ましでなんとか起きる。コーヒーを飲みながら新聞を読む。気分も体もまだ半開状態。 それでも6時半に家を出て富山ICに入る。間違えて滑川ICまで行ってしまい、戻った。いつもこうだ。 |
馬場島のゲートは開いていたので入らせてもらう。だが、ブナクラ谷の橋は取り外されていた。 橋の手前の空き地に車を停めて徒渉する。コンビニで買ってきたサンドイッチをほおばりながら取水口に向かう。それが朝食。 |
驚いたことに取水口の先に林道が出来ていた。何のための林道なのか? 林道終点から登山道に入る。小ブナクラ谷、大ブナクラ谷の二つの徒渉を終えて川筋を行く。 |
取水口が8時35分のスタートとなってしまった。時間がないから行けるところまで行こうと思っていた。 そんなのは敗退したときの言い訳を用意しているようなものでスタート時点ですでに逃げている。 絶対登りきるという強い意志がないと単純なミスが出たりする。気持ちを切り替える。 |
暗くなり始める16時半までには戻るとすると、頂上を何時に出発すれば間に合うか? 逆算する。 ブナクラ峠が11時で赤谷山頂上が13時。登りが4時間半で降りが3時間半。 時間が足りないようなら休憩を取らない。食事は歩きながら取る。 ということは頂上に届いていなくても、13時になった時点で引き返すということだ。 頂上が近かったら引き返せるのか? 帰りはヘッデン覚悟で行ってしまうかもしれない。 |
左手に高さが10m以上ある滝(戸倉大滝)が見えた。残雪期は谷筋を歩くので見えなかったのだろう。 無雪期の猫又山に登ったこともあったが、木の葉や大イタドリに隠されて見えなかったようだ。 |
斜度を増した登山道に岩が多くなってきて、最後は岩だけのゴーロ帯となる。 こういう峠は何処にでもある。10時45分、登りきった峠で出迎えてくれたのは石仏。 足の指まで彫られたきれいな石仏は何だろう? 地蔵菩薩でも観世音菩薩でもなさそうだ。 |
予定より15分早かった。5分の休憩を入れて10時50分、赤谷山に向かう。 頂上方向はガスがかかり、剱岳の展望は望めそうにない。さらにテンションは下がる。 |
残雪期はブナクラ峠に向かわずに右の鞍部に向かってショートカットする。その鞍部に地唐があった。ここは東西に細長い湿地帯となっている。 そこから左側にトラバース気味にたどり、細い沢に出る。その沢を直登する。 |
沢に露出する岩は花崗岩だろうか? 御在所の藤内壁にあった岩に似ている。 縦に割れたクラックを登れないかと眺めてみたが土が詰まっていて登りにくそうだった。 |
沢道から尾根道に出ると右側からの強い風にさらされた。ガスがかかっていて視界も最悪。 「頂上に立つだけ」という、修行のような山行きになってきた。 |
風が強いと集中力が保てない。降りで気をつけなければいけないと思うところを何カ所かマークする。 ところどころに現れる笹藪も視界を遮り、モチベーションは下がりっぱなし。 |
突然、登山道が彫られた草原に出る。頂上は近いようだ。これ以上の登りがないことを祈りながら歩いた。 ちょっとした鞍部に石仏があり、赤谷山と書かれた竹筒の賽銭筒が置いてあった。 |
そこから少し先が一番高い場所、頂上のようだ。半分凍った地唐を回り込んで頂上へ向かった。 頂上には丸い大きな岩があり、そこから先に踏み跡は見えない。引き返す。 |
時間は12時35分。朝方にサンドイッチを食べただけなのでお腹が空いていて力が入らない。 頂上出発は13時の予定。時間はある。急いでラーメンを作った。 |
13時5分、頂上を出発。寒さの中、小雨が降り出してきて状況は最悪。 濡れた手袋が風に吹かれて指がじんじんしている。GPSの電池が切れたので、交換しようとしたが指先の感覚がなくなっていた。 頂上は目的地だが終点ではない。見たばかりの「エベレスト3D」を思い出した。(映画は面白くなかった) |
稜線を降り、沢筋を降り、樹林帯を降る。雨に濡れた石が滑りやすい。何度も足を取られながらブナクラ峠まで戻った。ホッとした瞬間だった。 だが、気持ちが緩んだときに事故は起こりやすい。10分の休憩を取って気持ちを切り替える。 |
峠から下は風もなく、雨もやんだ。フリースのセーターを脱ぐ余裕もあった。 疲れからかバランス感覚が悪く、スピードを上げられない。事故を起こさないように普通に歩いた。 |
出発から帰るまで誰にも会わなかった。朝方、馬場島のテン場はいっぱいだったのに... この時期の赤谷山は登山の対象になっていないのかもしれない。 「富山の百山」にも体力度、技術度、危険度が共に最高の4ランクになっている。 |
後日談 1.登山中、ヘリコプターが飛んでいると思ったら中山で熊に襲われた登山者がいたようだ。 沢山の登山者がいる中山で熊に襲われた人がいて、1人しかいない赤谷山で無事だった。感謝。 2.ブラクラ谷の橋の前に黒い車が停まっていたのだが、見たことのあるナンバーだと思っていたら、岩城と堀だった。 大猫山から釜谷山まで行って、ブラクラ谷から降りてきたそうだ。車があるのに人の気配がなかった理由が分かった。 |