妙義山



 

11月7日


所在地群馬県富岡市
妙義神社登山口 アプローチ上信越自動車道松井田妙義ICから妙義神社へ
登山口標高430m
標   高1104m
標高差単純674m 累積(+)1273m 累積(ー)976m
沿面距離7.7Km(GPSデータより)
登山日2015年11月7日
天 候くもり
同行者山岸、星野、中野、山本、杉田、岩月、洋平、中嶋(大介、勢津子)、堀岡
参考コースタイム
山と高原地図(山と渓谷社)
妙義神社登山口(45分)大の字(15分)辻(40分)見晴台(40分)大のぞき(1時間)タルワキ沢(20分)相馬岳(1時間25分)ホッキリ(1時間5分)鷹戻しの頭(50分)エスケープルート分岐(40分)車道
歩行7時間40分
コースタイム 妙義神社登山口(55分)大の字<休憩10分>(15分)辻(20分)見晴台(35分)大のぞき<渋滞10分>(35分)タルワキ沢(20分)相馬岳<途中休憩10分>(1時間5分)ホッキリ(55分)鷹戻し頭<渋滞10分>(35分)鷹戻し降りエスケープルート分岐(30分)車道
歩行6時間15分+休憩他45分=7時間



 
 

 表妙義縦走路は岩稜帯が連続し、こぶ岩・鷹戻し・奥の院の鎖場等で多数の死亡・重傷等遭難が繰り返し起こっている。
 山と高原地図では難路の登山道(初級・中級・上級の分類の中で分類外の最上級に分類)として記載されていて、妙義山登山まっぷでは上級登山道、国土地理院の地図には登山道として記載されていない。
 その通過の難しさは北アルプスの大キレットや剱岳の比ではなく、一般登山道最難関として知られる西穂高岳−奥穂高岳間の縦走路にも匹敵する。
 とくに、他の山系と異なり、岩の性質上スタンス(足がかり)が乏しく、鎖を全力で握り腕力で身体を引き上げることを強いられる箇所や、ヤセ尾根で両側がともに100m以上切れ落ちているような危険箇所がしばしば現れ、腕の力が尽きたり、ほんの一度躓いたりしただけで、命を落とす最悪の帰結につながる。
 遭難者の捜索・収容には、多額の県民の税金が費消される。

 このため、2010年1月、群馬県・地元自治体・警察・消防・山岳会で「妙義山系山岳遭難防止対策会議」が発足、地元警察は、鷹戻し・奥の院とその周辺の鎖・ハシゴを撤去し、岩登りのエキスパート以外縦走路に入らせない措置を提案した。
 これに対し、登山者の立場から出席した委員は、鷹戻しに複線のハシゴから成る新ルート・鉄筋のアンカー(足がかり)の設置による整備等を提案。
 だが、県側は、ハシゴや足がかりなどを新たに設置した場合に営造物責任が発生するとして、新規のハシゴやアンカーの設置で登山道の危険を緩和する対策を否定した。
 こうしたなか地元山岳会は「鎖を増設すれば遭難は減る」と強く主張、結局、登山者を大きな滑落死のリスクにさらした登山道の状態を、鎖の増設と改良だけで放置する方向に結論を導いてしまった。

 現在、地元警察では、スリングを装着、カラビナを鎖の環にかけかえながら確保しつつ登る方法を提案しているが、これは一般に告知されておらず、実践している登山者は稀である。
 山と高原地図では妙義山の難路の部分は「ザイル(命綱)の携行が望ましい」としている。
 看板には「上級者でも非常に危険な箇所です。ザイル等の装備のない方は、登山を自粛してください。」と書かれている。
 また、鷹戻しに現在あるハシゴは、老朽化が進みつつある。


                          ウィキペディア(2012年9月)より抜粋


「道の駅みょうぎ」の上にある登山者用の駐車場
 

8時10分、妙義神社の鳥居をくぐる
 

 一度は登ってみたいと思っていた妙義山登山が実現した。企画は中嶋勢津子(以下中嶋(勢))である。そしてガイドは地元の山岸。
 予定日は11月7日と8日。登ってから泊まるか、泊まってから登るかがメールだけの連絡なので決まるまで時間がかかった。
 登った後にゆっくり宴会がしたいということで意見がまとまり、7日のアタックとなった。


格式高そうな妙義神社
 

だんだんのないすべりやすい登山道
 

 朝8時に「道の駅みょうぎ」へ地元群馬の山岸(今回のガイド)と星野、東京から杉田、神奈川から山本、名古屋から岩月が集まった。
 北陸からは中嶋夫妻、堀岡、洋平と私。西インターに4時集合して中嶋号で妙義に向かった。


登山道を離れて「大の字」へ登る
 

「大の字」の前は1m程しかないのでこの角度での撮影
 

 8時5分、総勢11名で「道の駅みょうぎ」近くの登山者専用の駐車場を出発する。
 念のために全員、ハーネスを持ち込み、山岸が50mザイルを担いだ。
 登山道は妙義神社の横を通る。妙義神社は日光の東照宮を思わせるような、きらびやかな神社だった。


高さと幅は約5m 最初の建立は江戸時代とのこと
 

 9時、大の字に到着。「大の字」は、江戸時代に建立され、妙義神社の妙義大権現を省略し、「大」としたもの。
 妙義神社にお参り出来ない村人や旅人などが中仙道の安中、松井田宿から「大の字」に手を合わせお参りしたといわれている。


「大の字」の岩頭からの降り
 

奥の院
 

 大の字へは登山道を離れて5mぐらいの岩を登る。鎖があるので誰でも登れる。
 大の字は妙義山の山行記には必ず写真が載っている撮影スポットとなっている。


奥の院の安置仏と石碑に光があたっていた
 

奥の院から下を振り返る
 

 大の字から少し登ったところが「辻」。最初のエスケープルートである。
 さらにそこから少し登ると「奥の院」。石垣を組んだ洞窟の奥に石碑と石仏が祀られている。


奥の院からの岩場を行く洋平
 

鎖を拒否する勢津子
 

 奥の院の右側から岩場が続く。鎖は使わないように登ろうと思っていた。
 風邪を引いていて集中力に欠けていて岩場の状況をよく覚えていない。
 最後の右上するトラバース気味のところがホールドが少く怖かったのだけは覚えている。


鎖に頼らない方が安全なのだが
 


大のぞきの先に見える絶壁
 

 大のぞきに登ったところで渋滞に捕まる。鎖で10m程と20m程を降るのだが1人が降りきるまで待っているので遅くなるのだ。
 最初のスパンは前向きに降りたが、次のスパンは後ろ向きに降りた。最後はホールドが小さく怖かった。


大のぞき二段目の降り20mはホールドが乏しかった
 

二つ目のエスケープルート「タルワキ沢」
 

 激しいアップダウンと視界の悪さで方向がまったく分からない。地図上では南西方向から北西方向に変わり、タルワキ沢分岐から南下へと、めまぐるしく変わる。


相馬岳(?)
 

 タルワキ沢分岐(第二のエスケープルート)から南下して登りきったところが相馬岳。妙義山系では一番標高の高いところである。
 数パーティーが休憩を取っていたが、そのまま通過した。少し降ったところで簡単にランチタイムをとる。


相馬岳の彼方に見える東岳、金洞山、星穴岳
 

ところどころに巻き道もある
 

 鷹戻し手前のお椀内壁のような鎖トラバースで滑落。鎖を使わなかったのがいけなかった。
 落ち葉が積もったところがかすかなホールドに見えたので足を置いたがホールドはなかった。
 滑り始めたら止まらないし止められない。滑落から3m程下で滑落のコースの後方1m程にある灌木が唯一の手がかり。
 全身を反転させて後ろ向きになり、なんとか左手一本で灌木を掴んだ。灌木のしなりも手伝って、かろうじて指先に木が残った。
 下が見えない壁だったので、あそこで止められなかったら多分、命はなかったと思う。
 それでもめげずに鎖を使わず通過する。


このピークも右側から巻く
 

 鷹戻しの登りは難しくはない。途中、2カ所で鎖をホールドに使わせてもらったが時間をかければ鎖を使わず岩だけで通過できたと思う。


このピークが鷹戻しか?
 

鷹戻しを登る
 

 鷹戻しの登りから小さなピークを越えて少し降って登ったところが鷹戻しの降り。
 ここは鎖で2スパン。面倒なので鎖で懸垂下降のようにして降った。


鷹戻しを降る
 

鷹戻しを降る
 

 山岸の判断で東岳には向かわず、エスケープルートで中間道の大砲岩へと降る。
 そのエスケープルートも鎖やザイルが張ってあって渋滞となっていた。


東岳の手前でエスケープルートに入る
 

大砲岩のある中間道と合流
 

 大砲岩や第四石門あたりは観光地と言ってもいいくらい一般の人達がいた。
 そういう私も20年ほど前に観光客としてここまで歩いて来ている。


大砲岩のすぐ下が第四石門
 

 第四石門から石畳の階段を降って車道に出る。そこから中之嶽神社駐車場まで歩いて20分ほどだ。
 振り返ってながめる妙義山は確かに不思議な山だ。山の難易度は標高ではないことを証明している。


に到着
 

中之嶽神社の日本一のだいこく様(高さ20m)
 

 「国民宿舎裏妙義」へ移動して風呂に入り、すぐに部屋で宴会。風呂上がりのビールは最高だ。
 夕食時にお酒をたのまなかったので、旅館の人があきれていた。



風邪が悪化してこの料理全てが食べられなかった
 

 

11月8日



今年度(2016年3月)で閉館となる裏妙義国民宿舎
 

朝食メニュー
 

 前日は8時前に寝てしまった。頭の上で宴会が続いていたのをかすかに覚えている。
 朝食の前にお風呂に入って缶ビールを1本いただいた。朝、お酒を飲んだのは私だけだったようだが、昨夜の分を取り戻しただけ。


今回は、二日酔の方はいないようです
 

 上田市に移動して「無言館」に入館する。小さな美術館で、出口で入館料1000円を払うシステムになっていて、第二展示館の入館料も込みになっている。


無言館に寄りました(入場券の写真より)
 

無言館第二展示館の天井(入場券の写真より)
 

 絵を描きたかった若者達が戦争にかり出されて亡くなっていった。絵に限らず志半ばで亡くなっていった若者は沢山いたのだ。
 その犠牲の上に今の我々が生きていることを忘れてはいけない。


ランチにざるそばと天ぷら蕎麦の二つを注文
 

どちらもボリュームがあり、二つ注文したのは失敗
 

 道と川の駅「おとぎの里」に寄ってランチタイム。昨夜何も食べなかった反動で、ざる蕎麦と天ぷら蕎麦を注文する。
 だが、どちらもボリュームたっぷりで、全部食べきれなかった。失敗だった。


半過岩鼻(はんがのいわばな)と呼ばれる洞窟(?)
 

洞窟を眺める6人
 

 次回の山行き、新年会を約束して解散。帰り道、松本の「カモシカスポーツ」に寄った。
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