小佐波御前山



小佐波御前山の避難(休憩)小屋

所在地富山市(旧大沢野町)
石渕 アプローチ福沢から黒川をのぼる
登山口標高224m
標   高754m
標高差単純530m
沿面距離片道3.7Km(GPSデータより)
登山日2015年1月21日
天 候曇り
同行者単独
コースタイム 石渕(2時間10分)643mピーク(50分)小佐波御前山<休憩50分>(35分)643mピーク(1時間5分)石渕
歩行4時間40分+休憩50分=5時間30分



黒川の石渕集落から取り付く
 


猿倉山経由より標高差も小さく距離も短い
 

 数年前から暖めていたルートを使って小佐波御前山へ向かった。
 地図上では可能なルート。だが、地図には載っていない細尾根があったり、切り立った壁があったりするのが実際の山である。
 それを乗り越えて行くのも新しいルートを行く楽しみのひとつ。


石渕集落入り口に車を停める
 

 午前中は晴れの予報で出かけたのに、登山口についたときにはすでに空は真っ白だった。
 風も強く、手をかじかめながら身支度をする。気持ちが萎えてくるが、勢いをつけて雪道に入った。


石渕集落は無人集落
 

トンネルは掘られただけで使われていない
 

 石渕の集落はほとんどの家が崩壊していた。夏場も使われていないのだろう。
 手前から石渕集落まで貫通している二車線のトンネルも掘られただけで使われていない。


取り付きが分からない
 

今回の核心部?
 

 トンネルの出口から500mほどは道路も出来ていて、それをたどる。
 道路の末端からの取り付きが難しい。人工的に削った跡なので不自然に急斜面だ。


杉林の下はラッセルが楽
 

ブッシュに悩まされるところもある
 

 はじめは杉林の中を行く。適度に大きくなった杉は枝打ちされていて歩きやすい。
 方向はほぼ真南に向かっている。頭の中では小佐波御前山は西の方向。
 地図で確かめると南でいい。それでも少しずつ右側(西側)にずれていってしまう。


富山平野が望めるまで標高を稼いだ
 

 左側が切れ落ちた稜線に出てからは迷うことなく稜線をたどった。
 右側が杉林で左側が灌木帯。このあたりの杉は背が低く、歩けない。
 灌木の間をぬいながら歩いた。赤布も要所要所につけていく。


赤布は30枚ぐらいつけた
 

右側が杉で左側が灌木の稜線
 

 ラッセルはすねぐらい。雪山を歩いている感触を味あわせてくれるジャストな積雪量。
 643mピークに出たところで小佐波御前山の頂上付近が見えた。思ったより遠い。
 気持をリスタートさせて頂上へと向かう。


643mピークから小佐波御前山をのぞむ
 

 最後の登りで瞬間的に(5mほど)林道と合流する。
 林道をたどりたい気持ちを抑えて尾根に戻る。ここの急登を登り切ると、あとはなだらかな丘陵となる。


避難小屋は雪に埋もれていた
 

頂上の看板
 

 小屋に着いてみると誰もいなかった。広場まで行ってみたがトレースもなし。
 今日は誰も登らなかったようだ。小屋に入る気がせず、看板の裏で風を避けながら昼食をとった。
 多少寒くても開放感がいい。


天候は下り坂で富山平野もかすんでくる
 

 モツ煮込みを持ち込んでいた。うどんも持ち込んでいた。合体させてネギを入れ、卵も入れた。
 なかなかいい。これからしばらくは定番のメニューになりそうだ。


看板の裏で風を避けてランチ
 

モツとうどんを合わせたモツ煮込みうどん
 

 誰も登ってこないまま、12時40分、下山開始。降りは迷いやすいのだがトレースもあり、難しくない。
 登りでつけた赤布の足りないところを補いながら降りる。
 尾根沿いをそのまま降りてしまうと最後が切り立った降りられないところに出てしまう。
 左の杉林に入らないといけない。ここだけが唯一注意が必要なところだ。


重い湿雪のすねラッセルだった
 

 尾根筋を離れ、左のやや広い杉林に入る。右の尾根との間に深い谷が現れてくる。
 尾根沿いをそのまま先端まで行って(降りられなくなって)しまうのは危険な雰囲気も感じる。


石渕集落の廃屋
 

外から見えた廃屋の中
 

 最後は石渕集落へとショートカットして降りた。壊れかけた建物が寂しさを誘う。
 トンネルも、小坂の集落近くに作りかけのまま放置されている橋脚ももったいないが完成させても、もう使う住民がいなくなっている。


降りで尾根を間違えるとここに出てしまう
 

 地図で見つけたルートを登りきるのは楽しい。登山に新しい魅力(夢)を与えてくれる。
 新しいルートを行くときは単独の方がいい。気を遣わずに一人でコースを決められる。
 難しいところに出ても一人で解決していく楽しみがある。危険を伴うがそれも面白さの一部である。