金剛堂山 |
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所在地 | 利賀村 八尾町 | |
登山口 | アプローチ | 八尾町から大長谷の室牧ダムをさかのぼり栃折峠を超え利賀村百瀬のスノーバレー利賀スキー場跡へ。 |
登山口標高 | 750m | |
標 高 | 1638m(前金剛) | |
標高差 | 単純888m 累積登り948m 累積降り△60m | |
沿面距離 | 片道4.4Km | |
登山日 | 2016年2月8日 | |
天 候 | 晴 | |
同行者 | 単独 | |
コースタイム | 登山口(2時間50分)片折岳<休憩10分>(1時間35分)金剛堂山頂上<休憩50分> 金剛堂山頂上(45分)片折岳(1時間5分)登山口 歩行6時間15分+休憩1時間=7時間15分 |
スノーバレー利賀スキー場は休業してから何年になるのだろう。誰もいないスキー場にかつての賑わいを重ね合わせてみる。消えていく施設はどこでも、いつでも寂しい。 駐車場は除雪されていてゲレンデも圧雪されている。今にもスキーヤーが滑り降りてきそうなまま残っている。消えていった村もそうだった。 |
夫婦山、祖父岳、白木峰、仁王山と続いたら次は金剛堂山しかない。特に意味はなかったが地図をたどっていったら、そうなった。 |
スキーセンターの前に車を停める。誰もいない。身支度を終えスキー場から川に向かう。 だが雪が少なく渡れなかった。いったん戻って車道の橋で川を渡る。仕切り直して9時15分、出発。 |
新雪はスネからヒザぐらい。急登になるとヒザ上になる。ヒザ上になるとラッセルという言葉が似合う。 道のりは長いので汗をかかないよう、息が荒くならないよう、気持ちを抑えながら登る。 |
ブナの木に巻かれているテープは雪面すれすれだ。今より雪の少ないときに登った人がいたのか? 尾根に沿ってずーっと巻かれている。道印かもしれないが境界の目印かもしれない。 |
ふと、ビールを持ってきていないことに気づいた。モチベーションが一気に下がる。帰ろうかと思った。 なんとか気を持ち直して頂上を目指す。 |
夏道との合流点より少し上でスキーのトレースと出会った。先行者じゃなく、昨日の跡だった。 滑り降りたトレースから判断すると6人グループらしい。ラッセルが楽になった分、悔しさが増す。 |
片折岳に登り金剛堂山の頂上をのぞむ。ほんの指呼の間に見える。軽く休憩を入れ、仕上げにかかる。何があっても登りきる。気持ちのエンジンがスタールする。 |
雪山は夏山と違って歩くのが辛い。早く歩けない。逆にそれが雪山のいいところだと思う。 歩きながらいろいろなことを考える。これからのことも考えるが、昔のことも思い出す。 反省することも多く、その分、やさしくなれるような気がする。 |
13時50分、頂上に立つ。視界は最高。僧ケ岳から剱岳、立山、薬師岳、穂高連峰、乗鞍岳、御嶽山... 西の方は遠くに白山、手前に三つが辻、人形山、春木山...と続く。 |
ランチ場所を探す。風が強いので雪庇の下に降りた。雪壁にテーブルと椅子を作ってくつろぐ。 持ち込んだ寒暖計は二つともマイナス12度。手袋をはめていても指先が痛い。 |
寒さの中ではカップ麺より鍋焼きうどんの方がいい。見ているだけで暖まる。 出来上がる前に少しずつ、蒲鉾などをつまむのもいい。大きく切ったネギも美味しい。 |
慣れてくると時間が遅くなっても焦らない。雪山は夏山より早く降れる。ゆっくり14時40分、頂上を後にする。 なだらかなところはトレースをたどり、急なところは新雪に飛び込む。雪山のセオリーだ。 |
自分が作ったトレースは壊したくない。深雪の中にひたすらつけたトレース。ある意味芸術だと思う。 トレースを見ていると、頑張った自分を感じる。なるべく壊さないようにして降る。 |
中学生時代、よく1人で山に入った。目的はなかった。ただ1人になりたかっただけだった。 今から考えると何が悲しかったのか分からない。悲しかったのか寂しかったのかさえ思い出せない。1人になって山を彷徨った。それで気が楽になった。 |
最後の急登を降り、16時40分、スキーセンターに戻る。スキー場という大きな施設に1人しかいない。中学生時代に1人で山に入った想いが重なる。あのときもこんな感じだった。寂しさと安心感。 |
近くの天竺温泉に寄った。ここは宿泊施設もあるので9時までやっている。冬季は露天風呂がないのが寂しい。温泉に浸かりながら次の山を考えた。だが思い浮かばない。何より今年は雪が少ない。 |