白木峰



思ったより雪が多く、つぼ足で手こずった

所在地富山県八尾町、岐阜県宮川村
国道471号白木峰倶楽部 アプローチ八尾町より車で40分
登山口標高650m
標   高1596m
標高差単純946m
沿面距離登り6.2Km  降り6.5Km  往復12.7Km
登山日2016年12月25日
天 候晴れ
同行者単独
コースタイム 二十一世紀の森(50分)登山口(45分)林道交差(35分)夏季登山口<休憩5分>(1時間)白木峰頂上<休憩30分>(25分)夏季登山口(20)林道交差(15分)登山口(45分)二十一世紀の森
登り3時間10分+降り1時間45分+休憩35分
合計5時間30分



降りの最後でショートカット道を見過ごしてしまって林道を歩いた
 


今回の登りのトレース
 


今年の1月31日のトレース
 


二つをあわせるとこうなる
 

 前日は年賀状作成で真夜中の1時まで起きていた。当然(?)、飲み過ぎとなっている。やや二日酔い気味で目が覚める。
 天気予報をみると年内で晴れているのは今日だけのようだ。年内最後の山行きとなるかもしれない。2回続けて歴史探訪のようなショボい山歩きをしていたので、行くなら本当の山だ。近くの山なら白木峰。起きたのが遅かったので家を出たのは10時だった。


21世紀の森の上で白木峰林道は閉鎖
 

11月上旬から6月の第2土曜日まで閉鎖
 

 数日前の暖かい強風で雪は溶けてなくなっているだろうと高をくくり、持ち込んだ雪用の装備はスパッツだけだった。21世紀の森まで来ると雪が残っている。頂上までの標高差は1000m近くある。ちょっといやな予感がしたが戻っている時間はない。身支度を終えて午前10時50分、出発。


21世紀の森の管理棟(無人)の前に駐車させてもらう
 

バンガローの間を抜けて林道へショートカット
 

 21世紀の森から遊歩道を通って白木峰林道へ出る。と、林道に足跡があった。この時期に熊打ちはいない。登山者のようだ。
 こんな時期に単独で白木峰を登ろうとする登山者は多くないはずだ。知っている人かもしれない。会ってみたいと思った。


林道に雪が残っている
 

手前にあると思っていた登山口は遠かった
 

 冬季は杉ヶ谷を渡ったところから尾根に取り付く。夏用の登山道もその近くにあると思っていたのだが見つからない。歩いて、歩いて、最初のヘアピン・カーブを曲がり、300mほど戻ったところに登山口があった。登山口まで50分かかった。予定外の時間ロス。11時40分、登山道に入る。


先行者が1人いるようだ
 

積雪はすねぐらい
 

 積雪はスネぐらい。雪は柔らかいし、歩幅もあわないので前のトレースは無視して歩く。100mほど登ったところから急登となった。
 何か変だと感じる。見覚えがない。杉林があるのもおかしい。いつも登っている尾根とは違うかもしれない。だらけていた気持ちを雪山用に切り替えた。


こんな中を歩くのは嫌いじゃない
 

 林道との交差点に出る。冬季のコースの二つ目にあたる。場所が(尾根が)違うようだ。見覚えがない。
 先行者はここからスノーシューズを履いていた。足跡はMSRのライトニング25インチ。かなりの強者のようだ。会えるのが楽しみだ。


林道との交差点で先行者はスノーシューズを履いていた
 

今年最後の青空だと思う
 

 トレースはあるのだが中途半端な固まり方でモナカ雪状態になっている。踏み込んだとたんに抜け落ちる。疲れが倍増。トレースがない方がいい。


きれいなブナ林なのだが落ちてくる雪の爆弾から逃げまくらなければいけなかった
 

 積雪後のもう一つの問題が木の枝から落ちてくる雪のかたまり。日が当たると枝に降り積もった雪が緩んで落ちてくる。
 これが杉の木などからの大きな塊だと、ほとんど原爆なみで、頭蓋骨陥没か首の骨が折れるぐらいの衝撃となる。なめてはいけない。


夏季の登山口からはラッセル
 

急登を終えて林道へ 先行者とすれ違う
 

 夏季の登山口からの急登は登山道が分からない。先行者も間違えている。笹原の上などスノーシューズではごまかせても、つぼ足だと腰まで埋まる。
 夏季登山口から頂上まで40分と計算したのだが無理そうだ。あまくなかった。
 1年のうちで一番昼の時間が短いこの季節、午後2時をタイム・リミットとした。頂上にたどり着かなくても、2時になったら引き返す。


左側に見えるのは仁王山
 

ようやく白木峰山荘と同じ標高まで登る
 

 急登を終えた林道で先行者とすれ違う。以外と年配者だった。ちょっと歩き方がたよりない。「雪、以外と多いですね」と言ったら「少ないよ」と言われてしまった。
 スノー・シューズなら少ないかもしれないが、つぼ足には多い。


中途半場に踏まれた雪はモナカ雪状態
 

膝までならいいが股まで踏み抜く
 

 下の雪が固まっていないので、踏み抜いたモナカ雪は股まで潜る。体力を消耗して、立ち止まる時間が増えていく。頂上が遠い。時間との闘いになってきた。


制限時間と決めた午後2時に頂上にたどり着くことが出来た(正確には2時5分)
 

 ヘリポートに出たのが午後2時だった。2時で引き返す決めだったが、頂上はすぐそこ。前に進む。
 午後2時5分、頂上にたどり着く。夏季登山口から30分のところを1時間もかかったことになる。


厳冬期より積雪が多いように感じた
 


北方に富山平野が見える
 


砺波野から高岡、富山湾が望めた
 


乗鞍岳
 

御嶽山にはまだ噴煙が上がっていた
 

 歩いている時はいろいろなことを考えるが、頂上にいるときは以外と何も考えない。なんとなくぼんやりしているような気がする。時間を忘れる。


時間がないが、ヘリポートでランチタイム
 


雪原に出た小枝に海老のしっぽ
 

 ランチ・タイムに要する時間を30分とする。2時40分に頂上を出発すれば、最悪、日が暮れても最後は安全な林道歩きだけだ。
 ヘリ・ポートまで戻り、木道の上でランチを作る。今日もしつこく鍋焼きうどん。鶏マークのお店(コメリ)で買ったアルミの鍋がなんとなく山に似合わないような気がしてきた。何故だろう?


木道に腰掛けて
 

今日も鍋焼きうどん
 

 午後2時35分、頂上を後にする。時間勝負みたいな山行は性格がおおらかな人には似合わない。
 こういう山行にわくわく感を感じることがある登山者は性格が悪いんだと思う。


ブナ林は時々樹齢が揃っていることがある 何故だろう?
 

 降りは体重をもろにかける分、ごぼってしまう。腰まで埋まると、イラッとしてしまう。
 読みがあまかった自分が悪いのだが...


このブナの木に心があったら何を思うのだろう?
 

 体力を消耗して、集中力が欠けていたのか、ショートカット道に気がつかず林道をたどってしまった。
 16時20分、車にたどり着く。ヘッデンを覚悟していたのに、明るいうちに戻れた。
 今年は何回か失敗して、軽い怪我をしてしまったが、最後の山行きを無事終えることが出来た。
 山と山の仲間達、1年間ありがとうございました。


ちょっとヘロヘロになりながら戻った