牛 岳



 

所在地富山市山田村
牛岳スキー場 アプローチ山田村から牛岳温泉スキー場へ
登山口標高650m
下山口標高330m
標   高987m
登り標高差単純  337m 累積登り390m 累積降り△ 90m
降り標高差単純△637m 累積登り 55m 累積降り△700m
沿面距離登り3.8Km  降り5.1Km(GPSデータより)
登山日2017年2月14日
天 候曇り後雪
同行者単独
コースタイムゲレンデ上(1時間35分)林道終点(1時間35分)頂上<休憩1時間10分>
頂上(30分)林道終点(55分)ゲレンデ上(25分)ゲレンデ下
登り3時間10分+降り1時間50分=歩行5時間
+休憩1時間10分=合計6時間10分



ゲレンデトップまでリフトに乗せてもらえた
 

 牛岳は近くて遠い、ちょっと不思議な山である。スキー場まで車で30分もかからずに行ってしまう。それなのになかなか足の向かない山になっている。何故かは自分でも説明できない。


高速ペアリフト終点
 

乗せてもらえた高速クワッドリフト終点
 

 クワッドリフトの係員に「スキーを履いていないと乗れないよね」と聞いてみたら「乗れるよ」との答え。身支度を終えて乗せてもらう。
 前回の残りの回数券3枚でリフト代を払う。念のために持ってきた回数券が役に立った。


10時10分出発 林道を少し下って左に入る(左に曲がる)
 

 ゲレンデトップでいきなり登山口を間違えた。リフト番が追いかけてきて入り口を教えてくれた。「トレースがあるから分かるよ」と言われたが、トレースはなく、ちょっと迷ってしまった。


なだらかに降ってからなだらかに登る
 

この時間はまだ日差しもあった
 

 林道は真っ直ぐ、200mぐらい降っていって、なだらかに登っていく。ユーミンの「中央フリーウエイ」に出てくる滑走路のようだ。
 積雪は脛(すね)ぐらい。膝(ひざ)以下の積雪をラッセルとは言いたくない。膝以上の積雪で雪を左右に分けながら行くのがラッセルだ。


遙か彼方、かすかに見えるのが頂上 遠い...
 

 連なる尾根の一番奥に見えるのが牛岳の頂上。このままの積雪ならそれほど遠いとは思わないが、この先の積雪量と雪質が分からない。


10時50分 最初の東屋
 

牛岳頂上にガスがかかってくる
 

 最初のポイントは東屋。ここで右からの林道と合流する。10時50分、到着。思ったより雪が多く、東屋はひさし近くまで埋もれている。
 そういえば牛岳は厳冬期(1〜2月)に登ったことがなかった。全部埋もれているときもあるのかもしれない。


鍋底のような「鍋谷」、左奥に「谷」集落、右奥に八尾御鷹山
 

 ここから林道は左下に鍋谷を望みながらのトラバースとなる。昨年の夏に鍋谷を訪れてみたが、もう人は住んでいなかった。田も畑も荒れたままだった。
 住み慣れた里といえども齢を重ねると不便なことが多くなるのだろう。冬季はなおさらである。


11時45分 林道はここから庄川へ降りていく
 

雪に埋もれた夏道
 

 次のポイントは2番目の東屋。林道はこの峠から右に大きく曲がり、庄川へと降っていく。
 ここから樹林帯に入る。杉の樹林帯で雪が堅く、歩きやすくなったと思ったのだがすぐに膝ラッセルとなった。


ここまで雪が積もれば夏道も夏道以外もどちらでも歩ける
 

 雪面の角度もついてきて雪山らしくなってきた。ペースを落とし、ゆっくり歩を進める。ガスの中に入って視界も悪くなってくる。
 どの辺を歩いているのかよく分からない。GPSを見ると、がっかりしそうなので、見ないようにして歩いた。


徐々にガスが広がってくる
 

 左側が切れ落ちているところ、なだらかなところ、急なところ、いくつも繰り返しながら頂上を目指す。時間は午後1時を過ぎてシャリバテ気味になってくる。
 ガスがかかって雪が降っているところで中途半端な休憩は取りたくない。ひたすら頂上を目指した。


何故かこういう風景が大好き
 

スノーモンスター(?)
 

 細尾根の急登になってくる。頂上が近そうだ、と思いながら左前方を見ると鳥居が見えた。こんな低い山でも頂上にたどり着くと、ちょっとうれしい。


13時20分 鳥居が見えてほっとする
 

 埋もれているかもしれないと思っていた神社は屋根の一部が見えていた。すぐに東屋にもぐり込み、ランチの用意をする。東屋は風は通っても雪が降ってこない。それだけで心が休まる。


鳥居と東屋
 

牛嶽神社
 


東屋は雪が降ってこないので、心安まる場所になる
 

東屋から眺める鳥居
 

 いつものうどんだけでは物足りないので、今回はおでんを持ってきた。まず、おでんで乾杯して、その出汁でうどんを作る。足りない水は雪で補充する。念のため、めんつゆも持ち込んだ。
 具はネギ、カマボコ、生卵にあげ玉。ちょっと面倒くさくて重いが、カップ麺とは比べようもない贅沢だ。


おでん
 

おでんの出汁に雪を足す
 

 頂上にいるこの時間が好きだ。頂上にたどり着いた達成感とお腹が満たされていく満足感。
 このままじっとしていたいが帰らないといけない。14時30分、頂上を後にした。


それで煮込みうどんを作る
 

気温マイナス5度 湿度90%
 

 いつも帰るときに登りのトレースを見て思うのは「よく、がんばってきたな〜」ということ。その思いは心地よく、単独登山が好きな理由のひとつになっている。


14時30分出発 頂上直下の登りのトレース
 

 帰るときはあまりものを考えない。たんたんと歩くだけ。登りのトレースが何かの作品のように見えて、壊したくないと思うことがある。誰が見るわけでもないのに...


林道のトレース
 

東屋あたりの積雪は2mぐらいありそうだ
 

 スキー場にもどり、リフト番に、無事戻ったことを伝える。「乗っていくか?」と言われたが歩いた。下のリフト番にも山のことを聞かれた。
 「ガスっていて何も見えなかった」と報告。「10時頃乗っていかなかったっけ?」と言われた。スキー場にガスはかからなかったのだろうか?


牛岳スキー場ゲレンデトップ
 

 牛岳に牛はいても他の動物はいない。何故でしょう?その答えは「牛だけ」