ひょうたん池



 

所在地長野県上高地
ひょうたん池 アプローチ上高地明神
登山口標高1510m
標   高2300m
標高差単純790m
沿面距離往復11.2Km
登山日2018年9月16日
天 候曇り
同行者山岸、洋平、中嶋(大)、岩月、中嶋(勢)、堀岡
コースタイム 日本山岳会山小屋(1時間)信州大学山小屋<休憩15分>(1時間5分)標高1880m<休憩15分>(25分)宮川のコル(1時間15分)ひょうたん池<休憩55分>(55分)宮川のコル(1時間5分)明神橋(1時間)日本山岳会山小屋
登り3時間45分+降り3時間=歩行6時間45分
歩行6時間45分+休憩1時間25分=合計8時間10分



梓川の右岸から取り付き、梓川の左岸から戻る


丸付番号は写真を撮った位置を示しています



カシミールの鳥瞰図


 いつかは行ってみたいと思っていた「ひょうたん池」。
 春は雪渓が残っていて醍醐味が半減。夏は背の高い草の藪漕ぎが面倒。で、秋を選んだ。


かっぱ橋

 奥又白池への縦走も考えたがコース取りが難しい。ひょうたん池と奥又白池の間が未知の世界。ネットの情報では、ザイルを出した報告もある。
 一気に涸沢か徳沢へ抜けられるのか? 奥又白池でテン泊か? 考えがまとまらず、まずは「ひょうたん池」への日帰りとした。


今日はここ(日本山岳会山小屋)で宿泊

小屋は外壁の工事中だった

 宿泊場所は中嶋が会員となっている「日本山岳会山小屋」。食事はご飯と味噌汁だけだが、1泊2食で4100円と上高地にしては格安で泊まれる。お酒やつまみの持ち込みが自由なので我々にはぴったりの宿だ。


梓川右岸の歩道を行く

「山のひだや」でひょうたん池の情報を仕入れる

 上高地のバスターミナルで待ち合わせる。群馬の山岸と名古屋の岩月は沢渡から入り、富山と石川の5人はアカンダナから入る。6時半頃上高地バスターミナルで合流した。


上高地らしい風景

 いったん小屋に荷物(宴会用の食料等)をデポして明神を目指す。
 「山のひだや」でひょうたん池の情報を仕入れる。「藪漕ぎに気をつけてください」と言われた程度だった。


歩道を離れて「信州大学山小屋」へ

「信州大学山小屋」

 車道から左へ50mほど入ったところに信州大学の山小屋がある。小屋の前のベンチで簡単に朝食をとって戦闘モードに切り替えた。


@ 最初の橋

@ 二番目の橋

 ネットでは最初の橋が安全で2番目の橋が危ないとあったが、2番目の橋は板が張ってあった。ぬれた最初の丸木橋の方が危なかった。


L 台風21号の影響か(降りの時に撮影)

L 2カ所に大きな倒木があった(降りの時に撮影)

 入ってすぐに大きな倒木があった。台風21号の被害だろう。2本目の倒木はジャングルジム状態だった。


B ガレた涸れ沢から右の細い涸れ沢に入る

C 細い急登の涸れ沢が続く

 踏み跡はしっかりしていて登山道のようだ。比較的大きな涸れ沢から右の細い涸れ沢に入る。急登である。


D 右側の樹林帯が切れたところで右の宮川のコルに出る

 少しずつ沢が広くなってきたあたりで右側に宮川のコルが見えてくる。目印は白いザレ場である。ガスっていてもこれは見逃さないだろう。


E ここをまっすぐ行くと明神岳の岩壁にぶつかる

F 右側の白いザレ場が宮川のコル

 ここでうっかり沢を詰めていってしまった。明神岳X峰の岩壁が近づいてくる。かすかに違和感を感じる。
 コースをはずれ、草の生えたガレ場を右にトラバースしていくと赤いペンキマークがあった。やはり少しずれていたようだ。


梓川と「明神館」、「明神橋」、左下に「信州大学山小屋」

 ここは気をつけないといけないところだ。ザレ場が見えてきたあたりで右側の樹林帯に注目。ダケカンバがなくなった所で右に入っていかないといけない。


G 草付きのザレ場を右へトラバースしながら登る

G 目印の枯れ木

 正しいルートにもどってから長七ノコルに向けてトラバース気味に登っていく。いったん20m程降って岩壁の裾に入る。背丈ほどのアザミが腕や肩にあたって痛い。


G 左側に見える岩壁の裾を行く

H 岩壁のすぐ横を通る


I この岩壁にレリーフがみっつ埋め込まれている

 岩壁の裾を登り切ったところに岩壁に埋め込まれた慰霊碑がみっつあった。
 子供や友人を亡くした人たちの気持ちは解らないでもないが、皆の国立公園の中に(個人の)墓のようなものを作ってもいいのか? と、ちょっと考えてしまった。
 皆が作り出したら山は慰霊碑だらけになってしまう。


 

 

 


J 「あと少し」のペンキ

長七のコルが見えてくる

 下から見て長七ノコルに見えたところはコルではなかった。さらに右奥に向かってもうひと登りあった。
 池の手前に「宝の木」と呼ばれているダケカンバの木がある。下から見ると×印になっている。


長七ノコルは目の前

×印に見える宝の木(ダケカンバ)

 最後の細い水流のある沢(?)を登り切ったところがひょうたん池だった。細い水流はひょうたん池から流れ出したもの。予想通りに小さい。オタマジャクシが泳いでいる普通の池。
 それでもがっかりはしなかった。これが見たかったわけではなく、ここにたどり着きたかったのだった。


K あこがれのひょうたん池

近くで見るとひょうたんには見えない

 池から20mほど離れた長七ノコルにはテン場がある。協力しあえば4張りぐらいは張れそうな広さがあった。


コルにはテン場がある

 コルから明神岳に向かって踏み跡があった。ここから明神岳は超一級のバリエーションルートだ。踏み跡が出来るようなコースではない。
 (後日調べたら奥又白池への踏み跡のようだ)


上から見るとひょうたん

テン場から明神岳への踏み跡

 コルから東側に茶臼ノ頭が見える。その向こうに奥又白池があるはず。テントを担いでの藪漕ぎはやりたくない。日帰りで縦走を目指してもエスケープルートのないコースだ。難しい。


「茶臼ノ頭」の奥の「奥又白池」まで行きたかった

 今日は車を運転しなくてもいい日なのに持ち込んだお酒は缶ビール1本づつ。皆、それなりに緊張していたようだ。簡単に昼食をとってひょうたん池を後にした。


ひょうたん池を後にする


岩壁に向けての長い降り


ガレ場もある

長七の頭が遠くなる

 


H〜Iこの岩壁の裾を降る

 帰りはひたすら降るだけ。緊張感を切らさないように慎重に降る。「宮川ノコル」あたりが一番踏み跡が分かりにくい。沢降りはコースを多少間違えても正しい登山道へ収束する。踏み込まれていないので、浮き石などに注意をすればいいだけだ。


ペンキ印は沢山あった

D宮川のコルから下宮川谷へ入る


D降りで左の沢に入らないように

@最後の橋を渡れば安全地帯

 同じ道を歩いても面白くないので帰りは梓川の左岸を歩いた。振り返ると、たどってきた下宮川谷と長七ノ頭が見える。
 あのあたりにある「ひょうたん池」まで行ってきたのだと思ったら、あらためて達成感がわいてきた。 「やったね」


梓川からのぞむ「長七ノ頭」


「長七ノコル」と「長七ノ頭」 手前は「宮川のコル」の白いザレ場

 今年も、奥穂の絵を描き続けている画家のテントが、小梨平に張ってあった。以前より飾ってある絵が減っている。売れたのかもしれない?
 絵の具の量が増えて絵のタッチが変わってきているように見えた。以前の絵を覚えている訳でもないので気のせいだと思う。


上高地に住み着いている画家のテント

絵のタッチが変わってきたような気がする

 上高地は観光客と登山者が入り交じっているのに、それが妙にマッチしている街だ。立山とは雰囲気が違う。変な街だが大好きだ。


上高地にある独特のムードが大好きだ