西新山



 

所在地富山市八尾町、細入村
アプローチ国道41号線 常虹の滝がある猪谷川から
登山口標高210m
標高1110m
標高差単純900m
沿面距離13Km(GPSデータより)
登山日2018年3月7日
天 候晴れ
同行者単独
コースタイム 猪谷川出合(1時間15分)林道終点(1時間10分)大亦峠(1時間15分)西新山頂上<休憩55分>(20分)沢(1時間)久婦須川出合(45分)桐谷
登り3時間40分+降り2時間5分=歩行5時間45分
歩行5時間45分+休憩55分=合計6時間40分



猪谷川出合から桐谷まで(地図が古くてダム湖が載っていない)


登り


降り(地図が古くてダム湖が載っていない)


カシミール

 最近、晴れている日が少ないような気がする。だから晴れている日は逃せない。雪解けも早いので低山から攻める。今回は西新山。


国道41号線常虹の滝の入り口に駐車

ここから歩く

 洋平から猪谷川は雪崩の巣だと聞いていた。注意していれば逃げられるというものではない。気温の低い登りはいいが午後からの降りが心配だ。


流しそうめんの入り口

残雪を踏みながら行く

 常虹の滝がある41号線の猪谷川出合に車を駐める。夏は流しそうめんをやっていたのだが、昨年あたりからやめたのかもしれない。


何故かキラズ山にだけ雲がかかっている

 古いトレースがある林道をたどって行く。林道が消えたあと広い杉林に入る。斜面がなく視界が効かないので今いる位置とか行くべき方向が分からなくなる。


雪崩の巣と言われたが遠いから大丈夫か?

このデブリの横から取り付く

 顕著な谷に出る。尾根の形などから大亦峠からの谷と勘違いしてしまう。登れそうなのは谷の右岸の尾根だ。谷を越えてとりつく。すぐ横にあるのはデブリの跡。


大谷ノ頭(961mピーク)、洞山の南面

 45度を超すような急斜面に5cmほど積もった新雪が堅い雪の上で滑る。スノー・シューズごとずり落ちる。つかまる物も少ない。この時点で降りは桐谷からと決めた。


尾根につきものの灌木の砦

左に見えてきたのが西新山か?

 登って行くと左側に山が見えてきた。西新山か?そして大亦峠も見えてきた。尾根をひとつ勘違いして登っていたようだ。だがこの尾根がいちばん登りやすい尾根で、結果オーライだった。
(帰ってから調べたら前回大谷ノ頭からここを降りたときもこの尾根を使っていた)
 大亦峠で家に電話を入れ、桐谷へ迎えに来てくれるように頼んだ。


2006年3月25日のGPS


広い大亦峠が左側に見えてきた

 大亦峠は昔、八尾から猪谷への間道となっていた。私の親はこの道を通ってヤミ米(自分の家用のもの)を運んだと言っていた。

 大亦峠からの急登は45度ぐらいあるが難しくない。いったん左の尾根にでてからは快適な雪上散歩となる。
 西新山は尾根の右と左で植生が違う。遠くから見るとはっきりと分かる。左は広葉樹林帯で右は杉の植林帯となっている。


キラズ山からの西新山(2018年2月27日) 植生の違いが分かる


大亦峠から直登して左の尾根に出る

45度くらいありそう


尾根に出てから急登はなし

右側はきれいな杉林

 右側の杉の植林地は手入れされていてきれいだ。だが、左側のブナ林がそれを上回る美しさで迫ってくる。瀬戸蔵山の西尾根もきれいだが広さが違う。


左側はきれいなブナ林

 気温が低いので午後になっても樹氷が溶けない。氷の先端が光っている。足下には新雪。ここはまだ冬山だ。


気温が低く

樹氷は残ったまま


灌木にも

樹氷がついている

 対岸に先日登ったキラズ山が見えている。登りに使った西尾根が真っ直ぐに伸びている。いちばん近くて、いちばん分かりやすい雪山用のルートなのが分かる。(←ちょっと自慢)


薬師岳と北ノ俣岳 手前はキラズ山

 何処を歩いているか分からないまま歩く。早く頂上に着きたいと思う気持ちと、いつまでも歩いていたいと思う気持ちが交差する。贅沢な時間。


気持ちのいい雪上散歩


圧倒的なブナ林

 広い雪原に出てすこし左に曲がったところが頂上だった。南北300m、東西100mほどの雪原に立つ。なんとなく頂上が分かる。GPSで確認する。間違いない。
 頂上近くの木に巻いてあった白いテープはボロボロになっていた。新しくピンクのテープを巻く。


13時15分 頂上に出る 300m×100mの雪原

 頂上には直径5〜10cmほどのブナの木が4本立っているだけ。大きな木がないのが不思議だ。


頂上から北東方向(登ってきた方)をのぞむ

頂上から南西方向をのぞむ


頂上から北西方向をのぞむ

頂上から南東方向をのぞむ 遠くに見えるのは薬師岳

 低山の楽しみはランチ。テーブルは簡単に足を降ろすところを掘るだけで十分だ。テーブルはベニヤ板(2mm×20mm×30mm)が2枚。あとは、これに鍋とストーブがあれば何でも出来る。


この穴を掘るためだけにスコップを持ち込んでいる

ラーメンにも大量のカマボコ

 14時10分、頂上を後にする。家に電話をしようと携帯を出してみると電源が落ちていた。役に立たない携帯だ。(←自分が悪いんだろう?)
 とりあえず大亦峠で、一報だけは入れておいた。時間は未定だが迎えに来てくれているはずだ。桐谷側に向かって降る。


14時10分 下山開始

 頂上からの降りは気をつけないと危ない。少し降ったところから南東側に顕著な尾根が延びている。これが下山方向に見えてしまう。
 視界が悪いときは特に気をつけないといけない。西新山は杉林とブナ林の間をたどれば大丈夫だ。


大亦峠からの降りは危険と感じ、降りは桐谷へ変更

途中から左の杉林に入る

 途中まで往路をたどり、小ピークの手前で左の杉林に入る。歩きやすそうな沢から降りた。沢だが杉が植えられている。植林されているところは危なくない。


沢でも杉の植林があるところは危なくない


下まで降りると地図にない林道があった

もう危険なところはない あとは歩くだけ

 降りてみると地図には載っていない林道が走っていた。植林用の作業道なのだろう。
 桐谷への林道を見つけてこれをたどる。もう危険なところはない。あとは歩くだけ。体力勝負。


桐谷へと向かう林道をたどる

これはダム工事と関係があるのか?


真っ直ぐ歩ける特技

 ときどき自分のトレースを振り返ってみて真っ直ぐに歩いている事に気づく。人のトレースを見るとくねくね曲がっている。特技かもしれない。


やっとダムが見えてきた

ダム湖に到着するが


道路は除雪されていなかった

車は桐谷の集落までしか入れなかった

 ダム湖まで降りてがっかり。道路が除雪されていない。発電所があるのに...スノー・シューズを脱いで歩く。雪がくさっていて歩きにくい。
 ダムまで歩いたがそこも除雪されていない。結局桐谷の集落まで歩いた。16時15分、到着。山の神が迎えに来てくれていた。ありがとう。


ダムから振り返ってのぞむ西新山