宗次郎谷



宗次郎谷本流(左側)と支流(右側)

所在地富山県魚津市
アプローチ片貝川支流の阿部木谷
出合標高840m
稜線標高1615m
標高差単純775m
沿面距離6Km(GPSデータより)
登山日2018年6月5日
天 候曇り
同行者洋平、中嶋、堀岡
コースタイム 宗次郎谷出合(25分)沢分岐(30分)滝<休憩5分>(2時間5分)稜線<休憩30分>(1時間40分)滝<休憩5分>(25分)分岐(10分)宗次郎谷出合
登り3時間+降り2時間5分=歩行5時間5分
歩行5時間5分+休憩40分=合計5時間45分



 


 


 

 午後からの天気予報がよくなかったので出発時間を早めた。朝5時、北陸自動車道西インター駐車場に集合する。
 有磯海SAに寄って朝食をとった。ここのフードコートは24時間営業なのでよく利用する。


阿部木谷からのぞむ大明神山

 魚津ICで高速道路を降りて片貝川をたどる。片貝川は初めてだという洋平は岩魚が気になるようだ。片貝川は遡るほどに岩が大きくなってくる。こんなに大きな岩が本当に流れてきたのだろうか?  


片貝川の上流の石は大きい


今日は人数が多いのでサンバーで乗り入れる

宗次郎谷出合からの謎の階段

 今回は阿部木谷の宗次郎谷出合近くまで車を乗り入れた。前回に比べれば1時間半の時間短縮になった。もちろん体力も。
 7時5分、宗次郎谷右岸の謎の階段にとりつく。宗次郎谷のどこかに北電の取水口でもあるのだろうか?


雪渓に降りたところでアイゼンを装着

宗次郎谷分岐

 歩道が雪渓の中に消えたところから雪面歩きとなる。早朝は気温が低く、雪渓がまだ堅いのでアイゼンを履いた。足は少し重くなるがキックする必要がなく、足を置くだけでいいので楽だ。


左側が宗次郎谷本流

右側が宗次郎谷支流

 450m(標高差150m)ほど登ったところで宗次郎谷は二つに分かれる。左が本流で右が支流。
 今回は左俣(本流)より稜線までの距離が短く、なだらかだと思われる右俣を選んだ。


右側の支流に入る

遠くに僧ヶ岳が見えてくる


歩きにくいが滑落の心配はない

 分岐から250m(標高差100m)ほど先に滝がある。雪は一週間でだいぶん解けていた。シュルンドも大きな口を開けていた。右岸から高巻く。


宗次郎谷右俣の滝


滝のシュルンド(?)

回り込んで撮影

 滝を高巻いた後は真っ直ぐな雪渓が続く。時々、音もなく石が転がってくるので怖い。一度、真っ直ぐこちらに向かって転がってきた。見ていても逸れていかない。最後は左に逃げた。1mほど横を転がっていった。50mほど後方にいた中嶋と堀岡も左に逃げて直撃を免れた。落石は怖い。


僧ヶ岳、北駒ヶ岳、駒ヶ岳


右側の雪渓を選ぶ(左側が本流で上部で合流)

雪渓のクレパス

 地図では分からないが沢が二つに分かれていた。上で繋がっているようにみえるがそんな沢は少ない。(実際は繋がっていた)右側の沢を選んだ。


本日の核心部

 この右の沢は上部で切れていた。細い沢で左側は岩壁で登れない。右側はシュルンドになっている。
 この高さ2mのシュルンドを片足を雪渓に、片足を岩壁に突っ張りながら登り、上部の雪面に出た。本日の核心部だった。


高さ2m超のシュルンドを両足を突っ張りながら超えた

 核心部を越えた後は雪渓は切れたところもなく稜線に向かって(と思っていた)続いていた。


細い雪渓を行く

 雪渓も終わり、細い谷を登って行くと洋平の叫び声が聞こえた。そこは稜線ではなく、新たな雪渓が待っていた。左側の沢が本流でそこに合流しただけだった。


雪渓の先が稜線だと信じて登ったのだが...

この先にさらに100m以上の雪渓が待っていた

 最後の雪渓を160m(標高差90m)登り切り稜線の下の雪棚に出る。稜線は想像以上の激藪だった。おまけに竹藪が交じっている。
 少し藪をこいでみたがすぐに諦めた。頂上まで距離1400m、標高差460mは歩けない。


その雪渓を登り切り稜線直下の雪棚に立つ

 大明神山は以前、大明神沢から頂上に立った事があった。だから、それほど未練はない(皆はどうか分からないが...)。宗次郎谷を詰めた事に満足して引き返すことにした。


稜線の劇藪に大明神山をあきらめて下山開始

左側の雪渓からザイルを出して降る

 危ないところは「ビビリ」が入ると危険度が倍増する。雪渓の降りも腰が引けて転倒、滑落しやすくなる。ザイルを出した。


雪壁と岩壁を両足で突っ張りながら登った核心部

 登りで使った細い沢を避けて左側(下から見て)の雪渓を降った。途中で小さな尾根を越えて核心部の下に出る。そこでいったんザイルをしまったが滝の高巻きで、もう1回ザイルを出した。

 ザイルがあると危ないところでも突っ込んでいける。最後、行き詰まっても戻れるという安心感があるからだ。逆に、ザイルがあっても戻れないようなところへは突っ込んでいかない。


大明神山へのルートとして宗次郎谷は向いていないようだ

 今回も宗次郎谷出合まで戻ってランチをとった。途中は落石が怖くて休めなかった。
 宗次郎谷からの大明神山は季節が難しい。遅いと藪漕ぎを強いられる。早いと雪崩や落石が怖い。大明神山へのルートとしては向いていないようだ。


カタクリの群生