槍ヶ岳 |
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所在地 | 岐阜県高山市、長野県松本市、大町市 |
アプローチ | 岐阜県飛騨市神岡町から国道472号線で |
登山口標高 | 登山口1100m 駐車場1050m |
標高 | 3180m |
標高差 | 登山口から2080m 駐車場から2130m |
沿面距離 | 28.5Km(GPSデータ) |
登山日 | 2018年9月6日 |
天 候 | 晴 |
同行者 | 単独 |
参考コースタイム 山と高原地図 (昭文社) |
登山口(2時間)白出沢出合(1時間30分)滝谷出合(1時間)槍平小屋(2時間30分)千丈乗越分岐(2時間30分)槍ヶ岳山荘(30分)槍ヶ岳 槍ヶ岳(30分)槍ヶ岳山荘(1時間30分)千丈乗越分岐(1時間30分)槍平小屋(1時間)滝谷出合(1時間)白出沢出合(1時間30分) 登山口 上山10時間+下山7時間=合計17時間0分 |
参考コースタイム ヤマケイ登山地図 (山と渓谷社) |
登山口(45分)穂高平平避難小屋(1時間10分)白出沢出合(1時間30分)滝谷出合(1時間)槍平小屋(2時間30分)千丈乗越分岐(2時間20分)槍ヶ岳山荘(30分)槍ヶ岳 槍ヶ岳(30分)槍ヶ岳山荘(1時間25分)千丈乗越分岐(1時間30分)槍平小屋(40分)滝谷出合(1時間20分)白出沢出合(50分)穂高平避難小屋(35分)登山口 上山9時間45分+下山6時間50分=合計16時間35分 |
コースタイム |
登山口【6時10分】(40分)穂高平避難小屋(40分)白出沢出合(1時間)滝谷出合(50分)槍平小屋<休憩15分>(1時間30分)千丈乗越分岐(1時間20分)槍ヶ岳山荘(20分)槍ヶ岳【12時45分】<休憩10分> 槍ヶ岳(10分)槍ヶ岳山荘<ランチ休憩25分>【13時30分】(50分)千丈乗越分岐(1時間10分)槍平小屋(50分)滝谷出合(1時間)白出沢出合(35分)穂高平避難小屋(45分)登山口【18時40分】 上山6時間20分+下山5時間20分=歩行11時間40分 歩行11時間40分+休憩時間50分=12時間30分 |
夜明け前の神岡三井鉱山精錬所の明かり |
雪が消えると山は面白くなくなる。歩く道も限られているし、何処へ行っても人でいっぱいだ。山が遠のく。 山へ行かないから体力が落ちる。トレーニングでもいいから何処かへ行かなくては... で、槍ヶ岳を選んだ。自分の体力テストも兼ねている。 |
槍ヶ岳の初登山は2003年11月8日だった。まだかけ出しの頃で、何も調べずに登ったら、すべての山小屋が営業を終了していた。 頂上は強風と氷の世界。登山口を出てから帰るまで誰にもあわない孤高(?)の登山となった。 それから数回日帰りをした。最後の日帰りは2012年7月31日。今回は日帰り出来るか? |
中崎山荘の玄関に「本日の営業休止」の看板が上がっていた。ホテル穂高も6時を過ぎているのに真っ暗だ。新穂高温泉は人気がなくなってしまったのか? と思いながら通過した。(後で分かったのだが長期の停電中だった) |
スタートからは長い林道歩きが続く。登りは体をほぐすのにも、ペースを作るのにも都合がいいが、降りは長い歩きが続くだけの、うんざりするコースとなる。 |
福井から来たという若者2人と先になったり後になったりしながら行く。台風で倒れた木が何カ所かで道路を塞いでいた。 若者達は都会育ちのようで、藪こぎは苦手なようだ。追いつかれても、こういうところで引き離してしまう。 |
滝谷出合で登山者がたむろしていた。河原に出てみると橋がない。渡れそうな所を探して渡った。 振り返ってみると避難小屋からも数人が出てきていた。皆、川を渡れずに停滞していたようだ。 近くにあった手頃な丸太で橋を作った。これで渡れなかったら諦めてください。かまっている暇はなく、先を急ぐ。 |
9時20分、槍平小屋到着。登りで唯一の休憩を入れる。缶ビール(500円)で水分補給をする。 皆、滝谷を渡れたようで、ぞくぞくと登ってくる。15分の休憩を入れて頂上を目指す。 |
最終水場で水分補給。いつもはチョロチョロとしか出ていないのに川のように流れ出ていた。それでも間違いなく地中から湧き出ている。 |
次のポイントは「宝の木」。謂われは知らないが、そう呼ばれている木がある。ここを通過して目指す次のポイントは千丈沢乗越分岐。 |
11時5分、千丈沢乗越分岐に到着。ここに置いてあるエマージェンシーボックスが壊れていた。中のビニールの箱も蓋が剥がれたままだ。先が読めず、そのままにして先を急ぐ。 |
視界は開けてくるが頂上は見えない。見える飛騨乗越までも気が遠くなるくらい遠い。我慢の登りが続く。 |
12時15分、飛騨乗越に出る。風が強い。間近に常念岳を見るのは久しぶりだった。左に折れて槍ヶ岳山荘を目指す。 |
12時25分、槍ヶ岳山荘に到着。タイムリミットを13時としていたが、間に合った。休まず我慢して穂先を目指す。リュックを小屋前にデポしたのに体が重い。 |
風が強い。寒い。戻ってウインドブレーカーを羽織ろうと思ったが、そのまま穂先を目指す。これくらいなら我慢できる。 疲れからか、集中力が足りない。過呼吸? 頭の中がボーッとしている。自分がまっすぐ立てているのかでさえ定かでない。事故はこんな時におこる。慎重に真剣に登った。 |
12時45分、穂先に立つ。穂先には10人ぐらいの登山者がいた。皆、防寒具を着ている。Tシャツ1枚は1人(私)だけ。 祠まで行って北鎌尾根をのぞむ。またここをたどる日が来るのだろうか? |
寒かったので10分で降りて山荘に入る。寒くても水分補給は必要。缶ビール【500円】を買った。食堂でラーメン【1000円】を注文する。 |
近くに座っていた単独の女性が素敵だった。漂う雰囲気に圧倒されて声がかけられなかった。 あんな風にかっこのいい単独の登山者になりたいと思った。(ビールを飲みながらラーメンを食べているようでは無理だな) |
新穂高温泉までのコースタイムは昭文社の登山地図では「7時間」。念のため、山荘のスタッフにを聞いてみた。知らなかったようで奥まで聞きに行ってくれた。その答えは「5時間半」。日没に間に合わない。 昭文社のコースタイムではもっと間に合わない。13時30分、急いで山荘を後にした。 |
千丈沢乗越分岐の救急箱はそのままだった。中をのぞいてみると水と緊急医療器具の他にヘッドランプと乾電池まで置いてあった。 槍ヶ岳山荘さんに感謝。中の箱と表の箱の上に石を置いて風にとばされないようにしてきた。 |
15時30分、槍平小屋到着。小屋のスタッフに滝谷の橋のことを確かめる。7月の集中豪雨で橋が流されたままになっているとの事。 朝から、さらに増水しているかどうかは不明だった。先を急ぐしかない。 |
南沢を少し降ったところでへりが飛んできて上空でホバリングを始めた。時間が遅かったので、こちらを心配してくれているのかと思ったが、そんな訳なかった。 |
ロープが下りて遭難者が抱っこされて上がってきた。次の遭難者は黄色いシートに包まれて上げってきた。生きているのか? つり上げ方がいい加減過ぎる。 |
16時20分、滝谷に出る。朝、架けた丸木橋が流されていた。水量が増えている。渡渉出来るところを探しながら上流へと向かう。 もし、流されても目撃者がいない(目撃者がいても助かるとは思えないが...)。弱点を見つけて渡渉を終える。 |
残る危険は熊だけ。流しているMP3プレーヤーのボリュームを上げて、ひたすら歩く。景色も草花も見ている余裕はない。歩くだけ。 |
17時20分、白出沢到着。残るは林道歩きだけだ。ところが歩いても歩いても穂高平避難小屋が見えない。あたりは暗くなってくる。後で調べたら歩いたのは35分だけだったのに長く感じた。疲れていたのだろう。 |
17時55分、穂高平避難小屋到着。暗くなってきていたがショーカット道を選ぶ。ちょっと危険かもしれなかったが早く帰りたかった。ショートカット道から林道に出て、本当にホッとした。登山口はすぐそこだ。 18時50分、登山口到着。真っ暗だった。ゲイトを超えても真っ暗。ホテル穂高も真っ暗。ホテル館内に懐中電池が動いている。何か変だ。中崎山荘も真っ暗。ヘッデンを出して駐車場に向かう。 「飛岳の湯」もトンネルも真っ暗。帰って調べたら台風21号(9月5日未明通過)で新穂高温泉一帯が停電していたのだった。(9日現在も停電中) |