鍋冠山



 

所在地富山県上市町
鍋冠山 アプローチ上市町東種から林道をたどる
登山口標高710m
標   高900m
標高差単純190m
沿面距離往復1.2Km
登山日2020年12月11日
天 候曇り
同行者単独
コースタイム 釜池分岐(10分)登山口<ロスタイム10分>(25分)頂上<ランチタイム40分>(25分)登山口(10分)釜池分岐
登り35分+降り35分=歩行1時間10分
歩行1時間10分+休憩他50分=合計2時間



 


 20代から30代にかけて弥陀ヶ原ホテルに勤めていた。富山平野に目をやると、いつも大辻山の左肩に特徴的な山が見えていた。
 上市町出身の副支配人(味見さん)が鍋冠山だと教えてくれた。それ以来気になっていた山だった。


右の林道をたどる

 冬季限定の山で、無雪季は藪漕ぎするしかないと思っていたのだが、夏道があるらしいとの情報を得た。
 明日からの天気予報はよくないので年内に行けるのは今日だけのようだ。急遽、出かけることにした。


林道は続いていたが蓮池の分岐に車を駐める

左の高峯の林道をたどる

 駐車場所で「あーちゃん」という女性といっしょになった。高峯山に行くと言っている。この季節に単独でこのあたりに入るのは熟練者か未熟者のどちらか。毎週山に入っていると言うので前者のようだ。
 高峯山の登山口まで10分ほどいっしょに歩いた。知らないもの同士でも山の話は楽しい。高峯山と鍋冠山の分岐で右と左に分かれた。ちょっと残念だった。


高峯山の登山口 林道はここまで

右の林道(30mほど)に入る

 鍋冠山と思える方へ向かう。30mほどで行き止まりとなった。一旦戻って高峯山への登山道に入る。標高を上げていき、鍋冠山が下に見えてきた。また戻って元の道に入った。10分ほどのロス。


登山道と言えるような道ではない

 林道の行き止まりでよく見ると踏み跡がある。登山道とは言えない踏み跡程度の道だ。それをたどる。
 涸れ沢の左岸を行く。ぬかるんだ急登で歩きにくい。


涸れ沢をテーピングしながら行く

 なだらかになってから薬研堀のような涸れ沢が続く。120mほどたどったところに大きな岩があり、赤ペンキで矢印が書いてあった。
 矢印の方向にテープが垂れている。そこからの急登を直登する。


大きな岩にたどりつく

この岩にペンキの矢印があった


テープも下がっている ここから直登

途中にある礫岩 小佐波御前山といっしょだ

 途中に礫岩があり、そこを下から左側に巻く。刈り開けただけの道はぬかるんだ急登で歩きにくい。
 頂上近くにも大きな礫岩があった。小佐波御前山や猿倉山に似ている。


頂上近くにはもっと大きな岩(礫岩)があった

 文献には下から(下界から)見ると鍋を逆さまにしたような形に見えるので鍋冠山と名付けられたとあるが、頂上に立ってみるとそれは分からない。
 頂上は刈り開けてあって、広場になっていた。杉林だから灌木が少ないのかもしれない。


刈り開けてある頂上広場


頂上の標識

視界は平野部のみ

 山側(東、南、西側)は視界がよくない。北側は上市町と滑川市、そしてその先に富山湾が見えた。
 一方向しか見えないというのは、そこがスクリーンのように見えて面白い。いい感じだった。


見えるのは上市町から滑川市、そして富山湾

 



釜 池



 


林道をたどったが地図に載っていたのは山道だった(林道は載っていなかった)


 釜池分岐まで戻る。時間も体力も残っている。釜池の探索に向かった。
 地図には道は1本しか書かれていない。目の前の林道がそれだと信じて歩き始める。道は釜池のすぐ横を走っているのですぐ分かるはずだと歩き続けた。


看板にしたがって右の林道に入る

何処まで行っても池がない いったん戻った

 かなり歩いた。予想の倍ぐらい歩いた。それでも池が見当たらない。何か変だ。一旦戻ることにした。
 釜池分岐まで戻ってGPSを出す。今度はGPSを見ながら歩いた。林道に入ってすぐのところに山道があった。地図に載っていた道はこれだった。
 まさか地図に載っていたのは山道で、大きな林道が載っていなかったとは思わなかった。


GPSで確かめると細い山道があった

 水平道の山道は少しずつ降りになっていく。やがて周りを山に囲まれた池の形の地形が現れた。が、水がない。
 枯れたのか? 地図は林道が載っていないくらい古い。諦めきれず、もう少し先まで行ってみることにした。


周りを山で囲まれて池の形をしているが水がない

 池の縁(淵?)と思われる所を超えてみると急な降りになっていた。この先に池はなさそうだ。だが、諦めきれずもう少し降ってみた。
 そうすると目の前に池が現れてきた。今日は戻ることが多かったが、ここは戻らなくてよかった。


池の縁を登って先を確かめる

少し降ったら池が現れた

 東西に200mはありそうな大きな池だ。地図に載っているように池の周りに道が見える。回り込んでみる。


東西200m 南北75mの大きな自然の池だった

 水が流れ出ていると思われる所に人工的に作られた排水溝があった。水位は排水溝より3mほど低く。流れ出していない。
 排水溝の下を覗いてみると水の音がする。どこからか流れ出ているようだ。それでも釜池が枯れないのはどこからか水が流れ込んでいるからだろう。


池の周りを廻ってみる

人工の排水溝があった

 排水溝から北西の方向に降っている道は10mほど先で消えていた。排水溝を超えて先に行ってみた。これも池の先端でほぼ廃道に近い状態になっていた。


ここから流れ落ちるはずだが水位が低くて水流はなし そこからの道は廃道になっていた

 今回は鍋冠山より釜池の方が面白かった。このあたりは山がうねっていて池がいくつあっても不思議ではない地形をしている。春先に来てみたいところだ。


一番奥まで行ってみたがその先は廃道に近かった

 釜池の名前の由来はなんだろう? 「釜」という危険なイメージはこの池からは感じられない。静かな優しい池である。ここにも歴史に埋もれた謎がある。