長棟山



 

所在地富山市大山町長棟
長棟山 アプローチ有峰林道大多和峠から
登山口標高1300m
標   高1692m
標高差頂上まで392m 敗退地点まで330m
沿面距離往復2.9Km(GPSデータより)
登山日2020年8月2日
天 候晴れ
同行者伊藤
コースタイム 大多和峠(2時間5分)折り返し点<休憩1時間>(1時間15分)大多和峠 
登り2時間5分+降り1時間15分=歩行3時間20分
歩行3時間20分+休憩1時間=合計4時間20分



山旅倶楽部二万五千図


山旅倶楽部一万二千図


カシミールプロバティ


カシミール鳥瞰図


 富山テレビが発行した「新越中百山」(山凱会編著)に載っていた長棟山。正式名称はないので三角点の点名を山の名前にしたとのこと。
 行ってみたい。行かないわけにはいかない。標高差400m、距離1900mの藪漕ぎの山。


6時40分、亀谷連絡所通過(普通車は1900円)

有峰ダムの信号

 6時40分、亀谷連絡所(料金所)を通過する。料金を払ったときに、登山者に見えなかったのか「キノコ狩りか?」と聞かれた。キノコはもう出ているのか?


桐山三叉路(大田和線と南岸線の分岐)

大多和峠(標高1300m)の立派なトイレ

 有峰ダムを渡り、西岸線を走る。山ノ村から国道471号線に抜ける東谷線は開通していた。(後日確認)
 大多和峠まで車を入れる。以前はここから国道41号線に抜けられたのだが途中が私道のため、現在は通行禁止になっている。


大多和峠から先は通行止め

ここから北側へ取り付く

 訪れる人も少ないからか、広場は雑草が広がっていた。東屋とトイレはまだ普通に使えそうだが、これから先はどうなるか分からない。
 長棟山はこの峠から北の尾根をたどる。しばらくは踏み跡があって歩きやすかった。1400m前後の平坦地で踏み跡が不明瞭となる。


標高1400mあたりから藪漕ぎとなる

藪の間に見えるのは長棟山か?

 所々に付けてある赤布をたどりながらかすかな踏み跡をたどる。斜度があるところは竹藪も濃くなって歩きにくい。
 だが本当にひどい藪はその先にあった。ハイマツの藪漕ぎも足が地面に届かなかったり、逆向きの枝に体が引っかかったりして最悪だが、それ以上だった。


突入したら足元も1m先も見えない激藪 残り500mで敗退を決める

 1m先が見えない。足元も見えない。灌木が密集した激藪で50mほど進むのに10分ぐらいかかる。体力の消耗も激しい。


1600mピークの倒木の周りにかすかに広場があった ここでランチ

 倒木があり、少し視界が開けたところ(1600m)で休憩を取った。頂上まで500m。ここから頂上まで往復で4時間以上かかりそうだ。空身で10mほど進んでみたが状況は同じ。ラッセルのように「交代で行けば楽」という訳にはいかない。登頂を諦める。


行く手を阻む一番大きいのはアオモリトドマツ

 訳の分からない灌木が上下左右から伸びてきていて体が通れる所を探すだけで大変。脛はぶつける、顔ははねた枝にたたかれる、体は進まない。
 アオモリトドマツは地面近くまで枝が張っていて回り込むだけで距離が倍になる。

     

イチイ?

コメツガ?

ヒノキ?
     

ゴヨウマツ?

ミネカエデ?

ミヤマハンノキ?

 軽く食事をとって引き返す。登るときに藪だと思っていたところは藪ではなく、踏み跡だと思っていたところは登山道に見えた。


大多和峠近くのブナ林

大多和峠の東屋

 今回も藪山の降りの怖さを思い知らされた。視界が効かないので方向が分からない。いきなり左に60度近くも間違えて降ってしまった。
 GPSで間違いに気づいて戻る。だがすぐにまた左にずれた。高度を落とさず右に水平に100m以上歩いてやっと登りのトレース(GPSの)に戻った。


男性用、女性用、身障者用のみっつのトイレがある

 長棟山は標高差もあまりなく、距離も短いが簡単な山ではなかった。木の葉が散った秋もよさそうだが来年の残雪季(有峰林道が開通したらすぐ)にチャレンジすることにしよう。標高が高いところは雪が拾える。


雨続きで満水状態の有峰湖


貯水量は黒部ダムより多い(総貯水容量2億2,200万立方メートル)

 帰りに、今年予定している東笠山の偵察で祐延ダムに寄った。一山超えただけなのに貯水量が違う。少ない。
 もっとも有峰ダムの流域面積は直接流れ込む実際の流域面積の4倍あるという。(真川や金木戸川の水も集めている)


何故か貯水量が少ない祐延ダム

 東笠山の参加予定者は名古屋、群馬、金沢、七尾など県外者が多い。新型コロナ禍で難しくなった。登山より宿泊宴会が目的の集まりだから...


東笠山へはこのダムを渡らないと行けない

だが進入禁止の看板があった


こちらも重力式ダム