漆山岳



漆山岳の反射板と立山連峰(剱岳から薬師岳まで)

所在地飛騨市神岡町
山名 アプローチ41号線猪谷と神岡の間
登山口標高330m
標   高1393m
標高差単純1063m 累計1100m(GPSデータより)
沿面距離往復6.9Km(GPSデータより)
登山日2021年2月6日
天 候晴れ
同行者伊藤、岩城、中嶋、堀岡
コースタイム 登山口【9:05】(2時間20分)1100m(1時間15分)頂上【12:40】<休憩1時間35分>
頂上出発【14:15】(45分)1100m(1時間15分)登山口【16:15】
登り3時間35分+降り2時間=歩行5時間35分
歩行5時間35分+休憩1時間35分=合計7時間10分



山旅倶楽部二万五千図


山旅倶楽部一万二千図


カシミール・プロがティ


カシミール・カシバード



 昨年、伊藤と登る予定だった漆山岳に向かった。昨年は雪不足で登れなかったのだ。大雪だという今年も油断していると雪がなくなってしまいそうな暖かさだ。


西漆山の路肩に車を駐めさせてもらう

ここから入った

 せっかくなので県内と石川県の仲間も誘った。天候が読めないので遠くの友人には声をかけにくかった。
 6日に決めたのは5日の午後になってからだった。


9時5分、こちらの小さな神社から取り付いた

植林された杉はきれいに並んでいる

 8時に笹津第2ダムの駐車場に集合する。5台集まった車を2台に乗り合わせて西漆山に向かう。


345mから1100mまで急登が続く

ひたすら直登する

 地元のおばちゃんに車を駐めさせてもらったお礼を言った。そのとき「漆山岳は人気がある山ですか?」と聞いたら「人気のある山だが地元の人は登らない」と言う。まあ〜、だいたい、そういうもんだ。


昔は1100mのここまでソンボ谷から林道が延びてきていたらしい

 9時5分、小さな神社の横から取り付く。杉林の中を抜けて尾根に取り付く。
 漆山岳は350mから1100mまで、急な尾根の直登が続く中級者以上向けの山だ。そこから頂上までさらに300mの標高差がある。雪質によっては上級者でも頂上へはたどり着けない。


1100mからはなだらかな登りとなる

 先行者のワカンのトレースがある。真っ白な雪と青い空の中、先行者のトレースをたどるのはもったいない。新たにラインを引いた。


北ノ俣岳、黒部五郎岳

 反射板で先行者に追いついた。挨拶をしたが素っ気なかった。せっかっくのトレースだったのに使ってもらえなかったのが面白くなかったのかもしれない。
 なんとなく解るような気がする。悪気はなかったのです。「ごめんなさい」。


反射板が近づく

12時20分、反射板到着

 頂上で面白いことがおこった。もう1人の登山者と伊藤が話をしていた。そのうち伊藤が跡津鉱口にいると言ってから話の流が変わった。
 「あれっ伊藤さん?」。でサングラスを外すと伊藤も「あれ〇〇さん?」。2人は知り合いだったのだ。それも相手はドンピシャ地元(漆山)の人だった。
 「地元の人は登らない」というのは???


漆山岳頂上では密を避けて大きなテーブルを作った

 コロナ禍もあり、頂上での宴会は簡素になった、ような気がする。各自持ち込んだ簡単なおつまみで乾杯。鍋焼きうどんに代わってカップ麺。


白木峰

ソンボ山

 14時15分、頂上を後にする。午後から雲が広がったり、景色がかすんだりすることが多いのに、この日は快晴のままだった。


14時15分、頂上を後にする


面白い足跡だ


立山連峰(剱岳から黒部五郎岳まで) 手前は池ノ山、跡津川、山ノ村


黒部五郎岳、双六岳、鑓ヶ岳、抜戸岳、笠ヶ岳

 反射板は自衛隊のものだと思っていたのだがNTTのものだとのこと。中には国土交通省のものもあるらしい。
 光に近い性質を持つマイクロウエーブを中継するためのもの。現在は人工衛生を使って交信しているのでほとんど使われていないそうだ。


高さ11.8mの反射板2基(2001年10月竣工)


焼岳、十石山、乗鞍連山

神岡の町と御岳山

 山の中にある反射板は以前は違和感があった。だが今は山に溶け込んだ構造物のように思える。
 笹津山、洞山、六谷山などを登って、反射板を見るとなんとなくホッとする。三角点と同じように写真まで撮ってしまう。


14時35分、反射板を後にする

 


1100mまではなだらかな斜面を降る

 雪山を速く降る方法がある。体力よりはバランス感覚が必要で、一番大事なのが気持ちの持ちようである。足スキーに似ている。


1100mからの急降は表面30cmぐらいの雪が足元から滑る

 新雪はそのまま走ればいい。難しいのは圧雪の上に積もった雪がやや湿ってきたときだ。20cm前後に積もった湿雪が足ごと滑っていく。
 それを止めようとすると尻餅をついてしまう。雪に乗って滑っていけばいいのだ。止まったところで反対側の足を出せばいい。そしてまた滑る。その繰り返しで走り降る。


このブナの木は熊がよく登るらしく

 子供の頃、熊に追われたら木に登って逃げろと言われたような記憶がある。とんでもない話だった。熊は木登りが人間の10倍うまい。


上の方まで爪跡でいっぱいだった


木の太さはこんな感じ

 山行が終わろうとしているころに夕陽が迫ってきた。登山の終わりには夕陽が似合う。そんな気がする。


夕陽が沈む頃に登山口に戻る


西漆山のこの石垣は屋敷跡なのか?田畑なのか?