青木峠



青木峠の広場

所在地飛騨市神岡町山之村
青木峠 アプローチ神岡町山之村
登山口標高833m
標   高867m
標 高 差単純34m
沿面距離往復7.1Km(GPSデータより)
登山日2022年9月29日
天 候
コースタイム 林道入口【10:05】(35分)間違い地点(10分)分岐(50分)青木峠【11:40】<休憩35分>(40分)分岐(25分)林道入口【13:20】
登り1時間35分+降り1時間5分=歩行2時間40分
歩行2時間40分+休憩35分=合計3時間15分



山旅倶楽部二万五千図


山旅倶楽部一万二千図


カシミール・カシバード(鳥瞰図)


カシミール・プロパティ


初版の山旅倶楽部二万五千図に載っている青木峠の旧道


 峠が大好きだ。それも車で通り過ぎるような峠ではなく、自分の足でたどり、超えていった昔の峠が大好きだ。
 ふるさとを出て行く人が峠を越えるとき振り返ってのぞんだ山々に何を思ったのか?
 帰ってきた人が峠に立ち、見下ろすふるさとに何を感じたのか? 峠とはそんなところである。
 そんな昔日のことを思い浮かべるだけで峠というものが愛おしくなってくる。
 峠は単なる地理上の通過点というだけではなく、人の記憶の中に残る大事な通過点ともなっているような気がする。


森茂牧場と池ノ山

 青木峠は佐古から山之村へ抜ける間道にある峠である。佐古から入るのは難しそうなので山之村からたどることにした。(都竹さんからの情報で)


池ノ山

林道入口の近くに車を停める

 林道の入口は鉄の扉があり、施錠されていた。予想通りである。山菜、キノコ等の採取禁止の看板も予想通りだった。


ここから取り付く

キノコ狩りではありません

 林道は轍もしっかりしていて、新しいタイヤの跡もある。それなりに車が入っているようだ。


はじめは車が走れる林道

川の流れが逆なので間違いに気づく

 歩いているうちに沢が現れて橋がある。ふと、沢の流れに違和感を感じた。流が逆のようだ。
 地図で確かめると分岐点を行き過ぎてしまったようだ。引き返す。


戻って林道の分岐を見つける(分かりにくい)

車は入っていないようだ

 林道らしき分岐を見つけて入ってみる。林道だった。分かりにくい分岐だった。
 林道脇に不法投棄の軽四のトラックが1台あった。その先にも軽四のワゴン車が1台。
 「山菜を採るな」と同時に「不法投棄はするな」と書いたらどうなんでしょうか?
(こんな所に入れるのは地元の人でしょ?)


不法投棄の軽四を見つける

2019年はまだ現役だったようだ


その奥にも不法投棄の軽四があった

車の中も不法投棄の荷物でいっぱい

 こちらは車が入っていないようで轍がなく、草が生え放題だった。
 だが人の踏み跡はかすかにある。地元の山菜採りやキノコ狩りの人たちのものだろうか?


人はあまり入っていないようだ

 しばらく降っていくと沢にぶつかった。以前は橋が架かっていたようだが崩壊している。
 丸太で橋を架けてあるように見えたが右側(上流側)から渡渉した。


橋は崩落していた

渡渉する


渡渉を終えて壊れた橋を振り返る

 沢から先は人の踏み跡もなくなり、あるのはカモシカの足跡だけになる。


道は荒れてきて

竹藪となってくる

 藪はだんだんと深くなり、背丈を超える竹藪になってきた。青木峠まではまだ500m近く残っている。


背丈以上の竹藪となり「敗退」の二文字が頭をよぎってくる

 「敗退」の2文字が脳裏をよぎる。あと5m、あと3mと思いながら進んで行く。すると藪が薄くなってきた。行けるかもしれないと思った。


気持ちを切り替えながら進んでいくと

藪が薄くなってきた

 やがて周りが開けてきて明るくなってくる。地図によると青木峠は峠というより平地だ。
 突然、刈り開けた広場に出た。その先は厚い藪になっている。青木峠に出たのだ。


11時40分、青木峠と思われる広場に到着 だが何もない

 予想通りだが峠には標識も、看板も、峠茶屋の跡(当たり前だが)も、なかった。
 それでも古(いにしえ)の峠に立っているという想いは格別である。藪を漕いできたからというのも、多分、ある。


広場の左側(南側)

広場の右側(北側)

 今日はストーブを持ち込んで、久しぶりのカップラーメン。
 立ったままでパンをほおばるだけの山行きもあるが、座ってラーメンをすする方が、どちらかといえば好きだ。


ささやかにランチ

 帰りはたどってきた道を戻るだけ。標高差はほとんどなく、アップダウンがあるだけ。
 13時20分、林道入口までもどる。


分岐まで戻る

快適な林道をたどる


林道入口まで戻る

 


アキギリ

ヨメナ(?)

ハナタデ


アキノキリンソウ

アケボノソウ

センブリ

 帰りに大好きな山之村牧場に寄ってみた。山之村に来たら寄らずには帰れないところだ。


山之村牧場に立ち寄る

 景色とか雰囲気がいい。山の中なのに町中にあるような売店やレストランもいい。
 コマーシャルで見た「無人島でローソンに遭遇した」。「砂漠で車の販売店に遭遇した」ようなハッピーな気分になれる。


雰囲気はいいのに人がいない


売店

売店


大好きなところだから、いつまでも潰れないで続けて欲しい

 売店に置いてあった中河与一の「天の夕顔」を買った。ずっと気になっていた本(小説)だった。