尾崎山



左側に見える山が尾崎山

所在地飛騨市古川町
尾崎山 アプローチ古川町市外の西側にある鷹狩箸から南に入る
登山口標高610m
標   高1368m
標 高 差単純758m 実標高差678m(撤退場所まで)
沿面距離往復7.3Km(GPSデータより)
登山日2024年1月30日
天 候快晴
コースタイム 駐車場所【10:30】(1時間)登山口(1時間10分)1078m(40分)1190m(40分)1280m【14:00】(敗退場所)<休憩10分>
1280m【14:10】(42分)1178m(30分)登山口(31分)駐車場所【12:53】
登り3時間30分+降り1時間43分=歩行5時間13分
歩行5時間13分+休憩10分=合計5時間23分



カシミール五万図


カシミール二万五千図


カシミール・カシバード(鳥瞰図)


カシミール・プロパティ


 近くの未踏の山ということで古川町の尾崎山に向かった。標高は1368mだが登山口の標高は780m。標高差は600mほどだ。
 高をくくって家を出たのは9時を過ぎいていた。(実際に歩き始めたのは10時半で、登山口まで1.3Kmも離れた標高610mのところだった)


国道41号線で古川町に入る

古川町に入ったところで、右折して鷹狩橋を渡る


ぬく森の湯すぱーふるの隣の空地に車を停める

誰かの古いトレースがあった

 土地勘がなく、鷹狩橋を渡ってから道を間違える。殿川沿いに寺地(地名)まで行ってしまい何か変だと気づく。
 犬の散歩をしていたおばちゃんを見つけて登山口を聞いた。「おざきやまの登山口は何処ですか?」と聞いたら「おさきやまか?」と帰って来た。「おざき」じゃなく「おさき」と読むのだと分かった。
 「尾崎山は冬に登る山じゃないよ」と言われた。登山口はよく分からなかったが、まったく違う所にきているのは分かった。


何かの営業施設のようだ

トレースはそこまでだった(50mほど)

 いったん途中まで戻って「ぬくもりの湯すぱーふる」を目指す。温泉に着いてみると温泉は休館日。
 道路の除雪はすぐその先で終わっていた。その横(スパーフルのすぐ上)に除雪された広場があったのでそこに車を停めさせてもらう。


多分この中のどれかが尾崎山のはず

 持ち込んだカシミールの地図には道路がいっぱい書かれている。それなのに登山道が書かれていないので何処が登山口かが分からない。
 とりあえず除雪されている道路の末端から先に進む。


スノーシューが突然はずれたと思ったら

今回は踵の部分が切れていた 予備のゴムで補修

 手製のスノーシューズのバンドを試してみる。2種類のバンドを持ち込んでいる。念のために輪かんも持ち込んだ。
 歩き始めてすぐに右足のスノーシューが外れてしまった。手製のバンドは失敗かと思ったら、カカトのバンドが切れていた。
 予備に持ち込んでいたバンドで応急処置をする。


林道を行くとゲイトがあり

尾崎山の看板があった 一安心


入山者へのお願い

 尾崎山登山道の看板を見つけて一安心する。「入山者へのお願い」に入山される方は『すぱーふる』にて入山届けの提出をおねがいします。と書かれていた。が、今日は休館日。


ここで間違えて左へ入ってしまう

100mほどで行き止まり 戻る

 尾崎山は左側にあるという想いが強すぎて道を間違えてしまう。100mほど行ったところで行き止まりだった。引き返す。


みっつに別れている林道の真ん中が登山道

「山頂まで150分」(現在の時刻は11時10分)

 道路がみっつに別れているところには真ん中の道に看板があった。「山頂まで150分」と書かれている。時計を見ると11時10分。
 夏道で2時間半。休憩無しで歩いて13時40分。ラッセルしながらだともっとかかる。頂上は無理かもしれないと思った。
 でも、もう引き返せない。タイムリミットを14時と決めて歩き出す。


いい感じになってきたぞ


11時30分 登山口発見

タイムリミット(撤退時間)まで2時間半

 尾崎山登山道の看板を発見。ここから山道となる。時間は11時30分。タイムリミットまで2時間半。休憩はとらないと決める。


すぐに急登となる

後方に少しずつ古川の町が見えてくる


このテープの位置は冬のものではない(低すぎる)

熊がひっかいて皮を剥いたものか?

 夏道を知らなくても尾根通しを行けばいいだけ。急登とまでは行かないがジグを切ってあるかもしれないぐらいの角度だ。


問題なく標高を稼ぐ


笠ヶ岳、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳

 左側、ところどころ木立がきれたところで穂高の山並みが見えた。富山から見るのとは角度が違う。
 南岳や北穂高岳、涸沢岳などが見え、いつも見えている黒部五郎岳の右肩の尾根が正面に見える。


登山道は多分この下にあるはず

ネットに載っていた巨木か?


薬師岳や北ノ俣岳も見えてきた 下に少し見えるのは古川町の市街


木の枝が邪魔になってくる

登山道は本当にこの下にあるのか?


1078mピークのマークがあった

トクワカソウはイワウチワの変種らしい

 1078mピークを越えたあたりから急登が増えてくる。尾根も細くなってきて木の枝や灌木が行く手を遮る。


本格的に急登となってくる


雪も深くなってきた

スノーシューズはなんとかもっている

 北斜面なので雪は深い。急なところは横にたたきつけたストックをアンカーにしてたり、灌木を掴んだりして登る。これが雪山だ。


急登はストックのアンカーとか灌木を利用して越える


何処が歩きやすいか?

考えるのをやめて、とにかく進む

 灌木が増えてくる。本当にこの下に夏道があるのか?積雪量がまだ足りないのか?
 距離も標高も稼げないうちに、時間だけが過ぎていく焦り。


何故、冬季のレポートがない山なのかが分かってきた


中央突破は難しい

 なんとなく尾根らしいところに出て右に曲がる。(帰ってから調べたが地図上には尾根は見あたらなかった)
 そこからさらに急登となる。目の前に壁が立ちはだかる。突破できそうにない。右側はダメだったが左側から巻くことが出来た。


左側の状態(結局ここから巻いた)

右側の状態(ここは巻けなかった)

 すぐに次の核心部が現れる。鍬崎山独標手前の核心部のようだ。どちらからも巻けない。木登りの様にして中央を突破した。
 何故、尾崎山の冬季のレポートがないのかが分かってきた。標高はそれほどでもないが、誰でもが簡単に登れる山じゃない。


次の核心部 どちらからも巻けなくて中央突破(もう登山とは言えない状態)


頂上は間近だが次の核心部が見えている 時間はすでに14時を越えている

 ちょっと楽なところに出たので時計を見た。時間は14時2分。タイムリミットとしていた時間だ。
 頂上はすぐそこのはず。距離で言えば200mぐらいだろうと思った。だが、次の核心部が見えている。どれくらい時間がかかるか読めない。
 今回もヘッドランプを持ってきていない。携帯も家に忘れてきていて何かあっても連絡できない。最初に決めたとおり、引き返すことにした。
 立ったままパンをかじって、水分補給をする。 14時10分、下山にかかった。


頂上に届くと確信したが、そこまでの時間が読めない 時間(14時)どおり頂上を諦めた

 下山はスノーシューズにかなりの無理な負荷がかかるようだ。何度も外れる。念のために持ってきていた輪かんに履き替える。


スノーシューズは外れまくり

念のために持っていった輪かんに履き替えて降った


ここをまっすぐ行ってはダメ(降りの時の注意カ所)

コースガイド
 下山で気をつけなければならないところが2カ所あった。1078mピークで尾根が2つに分かれている。ここは右に降りてはいけない。
 このピークで左の尾根を選んで100mほど降った所があぶない。ここはまっすぐの尾根が明瞭な尾根に見えて、右の正しい尾根が尾根に見えない。
 おまけに左側にピンクのテープが垂れている。視界がよくなく、トレースが消えていたら100%間違えるところだ。
(後日、ひょっとしたら冬季のルートは左側(西側)かもしれないと思ったが未検証)


まっすぐの尾根(左の尾根)が主尾根に見えるが

右のただの斜面みたいに見える尾根が正しい尾根


無事、林道まで戻る


頂上には届かなかったが面白い山だった 1番左に見えるのが尾崎山

 長い林道を歩く。疲れているのでスノーシューズの跡を忠実にたどった。カンジキはスノーシューズより小さいのですっぽり入る。
 ちょっと見には、誰かが山に向かったまま帰って来ていないように見える。面白い。
 頂上には届かなかったが面白い山だった。


車まであと少し


一番うれしい瞬間は車に戻ったとき

 
後日談

 あまりにも酷い尾根だったので帰ってから調べてみた。やっぱり登山道(夏道)を間違えていた。1200m付近から右の沢に降りて北側の尾根に取り付かなければならなかったのだ。
 あの東側の尾根は夏道を作れるような所ではなかった。だが、雪山だと尾根通しに行ってしまう。
 いったん沢に降りるとは思ってもいなかった。次回リベンジがあれば修正したい。



スノーシューズ修理


家にあったものに穴を開けて作成(今回使用)

 登りでは外れなかったが、降りでは無理な力がかかるらしく、何度も外れた。ゴムが柔らかすぎて伸びるからだ。


 

 

 



ダイソーで2本110円(税込)

 無理が利きそうなので、次回はこちらを試してみる。片足165円。


 

 

 



コメリで1本198円(税込)

 使う前に問題が発覚した。底のフレームに引っかけているのでカカトが浮かない。試すまでもなく、失敗作。