国見山



国見山(1318m)山頂の標識

所 在 地高山市
アプローチ飛騨市古川町から
登山口標高950m
標   高1318m
標 高 差単純368m
沿面距離往復5.7Km
登 山 日2025年4月4日
天   候晴れ
コースタイム ロッセスキー場【10:40】(1時間10分)駒鼻峠<休憩15分>(45分)国見山【12:50】<休憩55分>
国見山【13:45】(10分)駒鼻峠<休憩5分>(40分)ロッセスキー場【14:35】
登り1時間55分+降り50分=歩行2時間45分
歩行2時間45分+休憩1時間15分=合計4時間



カシミール五万図


カシミール二万五千図


カシミール・カシバード(鳥瞰図)


カシミール・プロパティ


 国見山は飛騨山岳会が平成20年に発行した「ふるさとの山 飛騨百山」という本で「飛騨から海が見えるかもしれない山」というサブタイトルがつけられている山である。
 「見るかもしれない山」というのがミステリアスだ。ロマンに満ちている。実際に行って、この目で確かめたいと思った。


予定していた道路が通行止め

迂回してなんとか奥呂瀬へ

 事前に、高山市役所に電話までして確かめたのに道を間違えてしまった。始めて訪れる人と、地元の人の常識には、微妙なずれがあるようだ。


道路脇に朽ち果てた民家が

旧ロッセ高原スキー場の奥に車を停める

 なんとかロッセ高原スキー場にたどりつき、除雪されている道路の一番奥に車を停めさせてもらう。
 思っていたより時間がかかってしまい、出発時間が10時40分になってしまった。


目指す国見山に雪が積もっている?

 駐車場所から見上げる国見山は、こじんまりとした形のいい山である。頂上付近が白いのは雪が降ったからだろうと思った。(←間違いだった)


杉の木もそろうときれい


初めはつぼ足で行く

南西尾根から降る予定だったが雪が足りない

 しばらくはつぼ足で歩き、途中からスノーシューズにかえた。ゴボルのは踝ぐらいでたいした事はないのだが、くさった雪では雪面とのグリップ力が安定している方が歩きやすい。


雪が降ったのだと思っていた

 残雪の林道歩きというのは、いつでも、どこにでも、あったような気がする。
 記憶を辿る。ソンボ山、戸田峰、祖父岳。いつも一人だった。思い出す山は一人だった山ばかりである。


ごぼらないがスノーシューズの方が楽

横から(西側から)見ると違う山のようだ

 右側の、葉のない木立の間から、かいま見える国見山は横に長い形をしている。
 左右の稜線が低くなり、目線と同じ高さになって合流したところが峠である。


駒鼻峠に出る

向こう側は上宝村在家(高原川沿い)

 峠の名前は駒鼻峠。昔はここを農耕馬が通ったのだろうか?(昔は農耕馬の貸し出しがあった)
 峠の向こう側は高原川沿いにある本郷である。国道472号線から見えない台地にある隠れ里のような町である。


国見山登山口

登山口の標識


登山道は不明瞭なところもあるが

分かりやすいところもある

 峠から藪漕ぎを覚悟していたが、登山道があった。整備されていないようで、不明瞭なところもある。だが、藪を漕ぐよりはましである。
 しばらくして雪が現れてくる。尾根筋は雪のないところもあるので、雪のある右斜面をたどった。


雪が現れてスノーシューズをはく

尾根筋は雪が少なく右斜面を歩いた


途中、30度くらいの斜面となる


こんな風景はどこにでもあるがきれいだ


アラレが降ってきたのかと思ったら 

エビのシッポが落ちてきたのだった

 パラパラと何かが落ちてくる。雨かと思ったが晴れている。顔に当たる「その何か」が痛い。よく見ると枝から落ちてくるエビのシッポだった。
 (下から見て)白っぽく見えていたのは枝に積もった雪ではなく、エビのシッポだった。気温が低く、午後になってもまだ枝に残ってる。


12時を過ぎているのに樹氷が落ちない

気温が低いのだ


12時50分 頂上に立つ

きれいな(カラフルな)頂上の標識

 12時50分、頂上に出る。立木がじゃまをして視界はよくない。南側が少し見える程度だった。
 北風が強いので少し南側に降ってランチをとった。遠くに御嶽山が見えていた。


風を避けて標識の裏に降りて

簡単にランチをとる


南側には御嶽山が見えた(望遠で撮影)


東側は北アルプスが見えた(雲で山座同定出来ず)

西側は立木で視界不良


海が見えるはずの北側も立木で視界不良

 海が見えるかどうかの検証は雲が出ていて出来なかった。それ以前に流木がじゃまをして視界もよくなかった。
 13時45分、頂上を後にする。降りは早い。10分で峠まで降りてしまった。


10分で峠まで降る

雪質が重くなった林道を降る


横から見た国見山は尾根にしか見えない


雪が切れてスノーシューズをぬぐ

こんな風景も妙になつかしい

 14時40分、無事、車まで戻る。樹氷が残るような雪山は、今シーズンこれが最後かもしれないと思った。


14時40分 車にもどる

 ロッセ高原スキー場の営業開始は1973年だった。そして2004年に営業を終了している。約、30年間の営業だった。こんな山奥にまでスキー場があった時代が懐かしい。
 今でもスキー場のホームページ(←クリック)が残っている。監理人は想い出として残しているそうだ。もう営業終了から20年以上たとうとしているのに...


若者達で賑わっていたであろうロッセ高原スキー場

 帰ってからカシミールの見通し機能で、国見山から海が見えるかどうか確かめて見た。
 残念だったが見えなかった。唯一、可能性のあった高原川沿い(神通川沿い)は右側のキラズ山と左側の漆山岳の間に笹津山がじゃまをしていた。

 「海が見えるかもしれない」と書いた著者の「瀬戸祐香」さんは、見えないことを知っていたのに、あえて「海が見るかも」という夢を書いたのかもしれない。飛騨に育った人は(私も含めて)海に特別な憧れを持っているのです。